みなさまこんにちは。家計の窓口のゆりもとひろみです。今回は、資産運用を続けるためにぜひしておきたい、家計管理の方法についてお話いたします。
資産運用を始める前にしておきたいこと
一般家庭の家計の流れは、
という順番になります。
20~40代の一般世帯では、
- 入ってきた収入のうち
- 生活に必要な様々なことにお金を使い
- 残ったお金を貯金に回し
- そのうちの一部を運用に振り分ける
というステップを繰り返しています。
より理想的なスタイルとしては、②と③を逆にして、②貯めたい金額をまず貯金に回し③貯金差し引き分のお金で暮らす、ということを実行できている方もいらっしゃいます。
いずれにしても、「資産運用を始めたい、続けたい」と思う方は、①~③のステップを確認して、運用に回せるお金を確保し続ける仕組みをつくることが必要です。これをしておかないと、「運用商品の値段が暴落した!今こそ根性を入れて積立投資を続けるといいのよね」という時がきても、チャンスを逃してしまう恐れがあります。肝心な時に家計のお金が足りなくなって、運用が続けられなくなったり、一番値下がりした時に換金して生活費に充てないといけなくなったりする、という残念な事例を時々耳にします。
家計管理の目的
「資産運用は待てるお金で始め、続ける」のが、成功の重要要素です。「自分が毎月運用に回したいお金と、待てるお金が一致しているか」を整理しておくことで、行き当たりばったりではない資産運用を続けることができます。
家計の窓口に相談に来られるお客様の中には、家計管理にまつわる相談が結構あります。
「家計簿をつけていたのですが、なんだか毎月赤字で、イヤになってやめてしまいました」
「結婚することになったので、自分と彼のお金をどういうルールで管理すればよいですか?」などなど。
ファイナンシャルプランナーの立場では、家計管理と家計のやりくりは全くべつものです。家計管理は「努力を伴うやりくりをすること」ではなく、「家計の内容をカンタンに把握できるような仕組みをつくること」なんです。そして家計管理の方が、未来設計をしていくうえでは重要です。
具合が悪くてお医者さんに診てもらう時に、「どういう風に具合が悪いのか、分かりません」では、お医者さんは原因が分からなくて、健康になるための正しい診断を出せません。同じように、貯蓄や運用資産を増やしたいのであれば、家計の現状を大まかで良いので「見える化」しておきたいものです。具体的には次の3つの数字が頭に入っている状態です。
家計管理で押さえる数字は、3つだけでいいんです!
前述の①稼ぐ金額を、自由に増やせるという方は少ないため、みなさんの心がけでコントロールしやすいのは、②いくら使っているのか③いくらコンスタントに貯められるのか、の2項目です。これらを把握するために、家計管理が必要になってきます。
- 1年間にいくらのお金が家計に入ってきているか(手取り年収)
- 1年間に全部でいくら使っているか(支出)
- 1年間に(運用益含めて)いくら貯められたか(貯蓄)
これが、みなさんがライフプランや運用プランをつくる上で、一番大切な数字です。
3つの数字は、実は年に1回、ちょっとした作業をするだけで把握することができます。
- 手取り収入の把握⇒通帳に記帳された入金(給与・手当等)を全部合計する
- いくら貯められたか⇒1年前の残高(預貯金・証券口座・貯蓄性保険の積立額など)との差額を出す
- いくら使ったか⇒手取り収入から年間貯蓄額を差し引くと算出できます
(例)「うちは手取りで500万円入ってきて、そのうち420万円使っていて、去年貯蓄できたのは約80万円です」
これくらいの精度で充分ですので、今3つの数字の検討がさっぱりつかない、という方は、上記の作業をして3つの数字をだしてみることから始めましょう。そこから、「毎年、無理なく運用に拠出できる金額」=「待てるお金」を割り出して運用に回すことが、意外と大切な運用成功のための要素になります。このコラムを読んで、すぐに家計の3つの数字を答えられなかった方は、ちょっと時間を取って、家計管理をして見て頂ければ幸いです。
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