新年は、日本の休場中の欧米株高を受け、大幅上昇スタート

 先週の新年相場では、休場中の世界株高に支えられ、先物主導でインデックス買いも絡んで、2日間で2万3,730円まで上昇し、1992年1月7日の2万3,566円以来26年ぶりの高値となりました。

 1月4日(木)は、前日のアメリカ市場で3指標そろって史上最高値を更新。シカゴの日経先物が+410円の2万3,160円となっていたこともあり、前場は2万3,073円で寄り付き、昨年の11月9日のザラ場高値2万3,382円を試す動きとなって前場は+561円の2万3,326円で引けました。後場になると北朝鮮をめぐる地政学的リスクが後退したこともあり、目先の上値抵抗ポイント2万3,382円を抜けるとそのまま一段高となり、大引けは+741円の2万3,506円で引けました。

 翌日の5日(金)は、前日のアメリカ市場で3指標が2日連続の史上最高値更新となり、NYダウは+152ドルの2万5,075ドルと2万5,000ドル台乗せ。日経平均は為替が113円台の円安となったこともあって+208円の2万3,714円と2日連続の大幅高で引けました。 

 今回の上昇は為替とは関係なく先物買いにインデックス買いが追随し、ショートカバー(買い戻し)を巻き込んだ上昇ですので、個人投資家が好む中小型株はそれほど上昇していません。指数の目先の目標としては1992年の高値2万3,800円であり、あと70円のところにきています。ここをクリアすると1991年の2万5,000円が意識されますが、ここへはいったんそれなりの幅の調整を終えた後だと思われます。

 

今週は週末にSQを控え、大きな上下動の可能性も

 今週は、日本市場は週末にSQを控え、大きな上下動の可能性があります。基本的に、日本株式はアメリカ株式にサポートされるので、アメリカ株式が堅調であれば、調整しても下値は限定的といえます。そのアメリカですが先週末の雇用統計は、市場予想を下回ったものの、失業率は4.1%のまま低水準だったことで、問題視されていません。今週から決算シーズンを迎えるため業績は上ブレ期待はあるものの、年初からの上昇が570ドルをこえており高値警戒感は出るところです。

 ただ1月のアメリカ株式は統計的に高いといわれ1月効果(アノマリー)があり、そうであれば日本市場もプラスの影響を受けることになります。

 先週の日本市場も2日間で約950円上昇しましたが、先物に追随したインデックス買いに絡んだ商いによるものであり、日経平均の上昇ほど個人投資家は積極的に買い上がっていません。指数を引き上げる値ガサ株中心に買われており、このような買い方が続けば、どこかで急落するという経験則があります。

 過熱感を警戒しつつ過度の調整を入れると相場は長続きするのですが、このまま上昇が続けばリスクが高まります。先週1992年1月7日の高値を26年ぶりに更新し、次は1992年の高値2万3,800円に接近する2万3,714円(1月5日の終値)まできました。ここを突破すれば次は1991年の高値2万5,000円が意識されることになります。

 8日(月)は、日本市場は成人式で休場でしたが、アメリカ市場は高値警戒感の強まる中、NYダウは▲12ドルの2万5,283ドルと反落しましたが、S&Pとナスダックは史上最高値を更新しました。為替も113円台前半の円安水準だったことでシカゴ日経先物は+225円の2万3,945円でした。

 連休明けの9日(火)の日経平均は、シカゴの先物にサヤ寄せする形で+234円の2万3,948
円で寄り付き、直後に2万3,952円の高値をつけて、利益確定売りで上げ幅を縮小。+74円の2万3,789円まで押し戻されました。その後は2万3,800円台前半でもみ合い大引けは+135円の2万3,849円で引けました。新年のスタートから3日連続で昨年来高値となり、1991年11月15日(終値2万4,099円)以来の26年2カ月ぶりの高値水準となります。

 日経平均の日足をみると3日連続でマドを空けて上昇(3空)して、本日は陰線となっており、目標達成感が出ているようです。日経先物も2万4,000円にタッチしたあと上げ幅を縮小しており、目先はアメリカ株式や為替の動きにもよりますが、2万4,000円が上値抵抗帯になる可能性があります。

(指標)日経平均

先週の相場

 日本市場の新年相場は、日本が休場中に世界の株高が大きく進み、これを受けて大発会(4日)の日経平均は+741円の2万3,506円と年末から3日ぶりの大幅反発となり、26年ぶりの高値水準となりました。翌日の5日(金)も1ドル=113円台の円安を好感し、先物主導でインデックスを巻き込み+208円の2万3,714円で引けました。

今週の予想

 週末12日(金)にオプションSQを控え、短期的な過熱感もあるため、荒い動きの可能性もあります。先週の上値は先物主導に絡んでインデックス買いが絡んだ上昇ですので、日経平均の上昇ほどには個人投資家が好む中小型株は上がっていません。日経平均が下げても先行した株が売られて出遅れた株が水準訂正していくことになりそうです。目先2万4,000円が上値抵抗ラインとなる可能性があります。

 

 

(指標)NYダウ

先週の相場

 新年明け2日(火)スタートのアメリカ市場は、12月に税制改革法案が成立し、今年の利上げも継続するものの、テンポが穏やかになるとの見通しが広がり、また、経済指標も好調なことからアメリカ景気の楽観的見通し根強く、+104ドルの2万4,824ドルでスタート。

 3日(水)は原油高も好感し3指標そろって史上最高値を更新し、4日(木)も中国の経済指標の好調さと12月ADP雇用統計の9カ月ぶりの高水準を受けて+152ドルの2万5,075ドルと3指標そろって連続で最高値更新し、NYダウは2万5,000ドル台のせとなりました。週末の5日(金)は、注目の12月雇用統計は、予想を下回ったものの世界の株高の流れに乗って3日連続の3指標の最高値更新で、NYダウは+220ドルの2万5,295ドルで引けました。

今週の予想

 今週は、先週の年初からの4日間で570ドルを超える上昇となっており、短期的には過熱感が出て一服してもよさそうです。ただ、アメリカは統計的に1月は高いという経験則があり、昨年の10~12月の決算シーズンを控え、業績の上振れ期待から下げれば押し目買いが入ってしっかりした動きが想定されます。

 

(指標)ドル/円

先週の相場

 先週は、年明けの2日(火)は、アメリカ長期金利が伸び悩んだことで、ドルのリスク回避からドル売り・円買いとなり、一時ポジション調整もあって1ドル=112.06円までドル安・円高が進行しました。その後、日本株式が4日(木)から大幅高でスタートするとドル円相場が反転。5日(金)にアメリカの早期利上げ観測が広がるとドルが買い戻され113.31円まで上昇して113.09円で引けました。

今週の予想

 今週は、FRB(米連邦準備理事会)による今年の利上げのペースに思惑が交錯し方向感がない展開が想定されます。ユーロ圏の回復を見込んだユーロ買いが進むとドル売り(円高)となり、アメリカ国内の消費者物価の改善は進んでいるため、インフレの兆候がみえてくると早期利上げ観測からドル買いとなりやすいといえます。また、トランプ政権の期待が薄れていることからドルの伸び悩みと強弱の材料が入り交じっています。112.0~114円のレンジの動きを想定。