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2012年12月から始まった「アベノミクス景気」の拡張期間は、1960年代後半の「いざなぎ景気」を超え、戦後2番目の長さとなっています。弊社の宅森昭吉チーフエコノミストは、この拡張は今後も続き、よほどの外的ショックが無ければ、2018年末で戦後最長であった「いざなみ景気」の73カ月に並ぶと見ています。世界的に景気回復が続く中スタートした2018年、今年はどんな年になるのでしょうか。
【ポイント1】2018年も緩やかな景気拡張が継続
実質GDPは7四半期連続で前期比プラス、現行統計で最長
■2017年は天候要因の影響で秋以降の個人消費が一時的に減速したものの、景気は緩やかな拡張が続いています。7-9月期の実質GDP成長率は7四半期連続でプラス成長となり、1994年以降の現行統計において最も長い連続プラス記録となりました。
■また、前月比で上昇と下降を繰り返していた鉱工業生産指数も、10、11月分は2017年で初めて2カ月連続の上昇となりました。10-12月期分は、12月が大幅な減少にならない限り上昇が見込まれます。7四半期続けての前期比上昇となれば、バブル期以来28年半ぶりの連続上昇記録です。
【ポイント2】身近なデータも景気拡張を示唆
雇用環境の改善から賃金上昇へ
■雇用環境も着実に改善しています。11月の有効求人倍率は、1.56倍と43年10カ月ぶりの高水準となり、完全失業率も、11月分は2.74%と24年ぶりの水準まで低下しています。雇用環境の改善が、賃金上昇につながることが期待されます。
■また、雇用環境の改善は、犯罪件数や自殺者数の改善にもつながります。2012年に140万件あった刑法犯・認知件数は毎年減少傾向にあり、2017年の上半期では前年同期比▲7.1%の45.1万件となっています。金融危機以来14年間3万人台だった年間自殺者数は、2016年で2万2,000人を割り2017年は11月までで前年比▲2.8%と減少が続いています。
【今後の展開】「戌笑う」の格言通り、株価の上昇に期待
■2018年は「戌年」です。過去5回の「戌年」の株価を見てみると、1970年を除く4回で株価は上昇しました。 『2018年の日本の景気』も緩やかな拡張を継続するとともに、「戌笑う」の相場格言通り、株式市場も上昇することが期待されます。
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