2018年3月発売の「525Li」に期待、5シリーズの競争力強化へ

現地コード 銘柄名
01114 華晨中国汽車控股
(ブリリアンス・チャイナ・オートモーティブ)
株価 情報種類
 18.82HKD
(12/18現在)
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 ブリリアンス・チャイナの株価は先週、新型5シリーズの値下げを嫌気した売りで調整した。BOCIは「528Li」モデルに対する市場の反応が予想より鈍く、さらに競合他社が予想より早いタイミングで年末の値下げキャンペーンに動いたと指摘。この先、2018年3月に発売される「525Li」が、5シリーズの競争力強化と販売増に寄与する見通しを示した。「525Li」発売前の段階では、「528Li」の売れ行きや価格動向が同社株価に影響するとしながらも、新型5シリーズの今後の販売増見通しや新型X3の投入観測(18年半ばの予定)を理由に、向こう2年間の成長期待に変化はないとの見方。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続した。1-3月期の「525Li」発売前、あるいは4月後半のX3投入前の段階で買い増しに動くことが得策との見解を明らかにしている。

 BOCIが実施した販路リサーチによれば、新型5シリーズは地域別に概ね2-5%の幅で値下げの対象となっているもよう。6月後半に発売されて以来、新型5シリーズの月間販売台数は1万2000台まで上向いており、ほぼ年内6万8000台の目標を達成可能なペース。それでも「530Li」との価格差が小さく、価格面で魅力に欠けることや、ライバル車種(アウディ「A6L」やベンツEクラス)との競争が響き、「528Li」の販売状況は予想より鈍い。ただ、BOCIによると、より低価格の「525Li」の発売が5シリーズの販売増を後押しする見込み。これにより、5シリーズの18年の販売台数は予想の14万5000台を達成する見通しという。

 同社経営陣は17年の販売台数の伸び率が自社目標の約25%を達成するとの見方。これは通年の販売台数がほぼ市場の予想通り、38万8000台に達することを意味する。18年の販売目標はまだ発表されていないが、BOCIは46万2000台と予測し、実際にこの数字は達成可能としている。一方、利益率は年初に経営陣が示した以上の水準にあり、税引き前利益率は16年の11.2%から17年上期には13.4%に上向く見通しという。また、設備投資は18年に約55億元と、17年の60億元を下回る見込み。ただ、減価償却費は相次ぐニューモデル投入による変動費の増大で、16年の30億元から17年には44億元に上向き、18年も増加傾向が続く可能性が高い。

 同社は12月15日、子会社権益の49%の譲渡を通じたルノーとの合弁事業をめぐり、正式契約を交わした。新たな合弁会社では、まずは既存の「金杯」ブランドの再生とミニバス事業の立て直しを目標とする。BOCIは合弁会社の販売台数が22年に15万台に上ると予想。向こう3-4年での黒字転換も可能とみている。

 BOCIは同社の目標株価を18年予想PER14倍、19年予想PER10.5倍の水準に据え置いた。現在株価が18年予想PER10.5倍、19年予想PER7.9倍にとどまる点を指摘し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。