「Lynk&Co」の1号モデル発売、ボルボとのシナジー効果で急成長期待

現地コード 銘柄名
00175 吉利汽車
(ジーリー・オートモービル)
株価 情報種類
 27.50HKD
(12/04現在)
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 BOCIはこのほど、ボルボのプラットフォームを利用した吉利汽車の新ブランド「Lynk&Co」の1号モデル「01」の発表式典と、同社経営陣とのミーティングに参加した。その結果、同社の成長見通しをさらに確信したと報告している。従来の「吉利」ブランドに「Lynk&Co」を加えたデュアルブランド戦略と、技術面でのボルボとのシナジー効果が理由。ファッショナブルなスポーツ仕様の「01」モデルが若年層の取り込みに寄与するとし、世界規模の新たなマスマーケットブランドになるとの期待感を示した。吉利汽車はすでに、中国独自ブランドのリーダーだが、BOCIは世界一の自動車大国である中国で、同社のシェアがこの先10%以上(現在は約5%)に拡大するとの見方。年間300万-400万台の売り上げが期待できるとしている。また、ボルボ・ブランドの生産力、販売力、ブランドイメージをフルに活用する形で、国内だけでなく、海外市場でも優位に立つと予想。2018年にニューモデルを投入した後、19年には従来予想を上回る利益成長局面を迎えるとみて、向こう3年間の業績見通しを楽観している。同社の目標株価を据え置き、株価の先行きに対する強気見通しを継続。同社を自動車セクターのトップピックとした。

 Lynk&Co「01」は1カ月に及ぶプレマーケティングの後、11月28日に発売された。正規価格は17万-24万元。主要ターゲットは都市部の若年層で、「グローバルなマスマーケットブランド」との位置づけ。品質や技術、サービスなどの面で、フォルクスワーゲンやトヨタ、ホンダなどの有力合弁ブランドと真っ向から競う姿勢を鮮明にした。

 BOCIの販路リサーチやオンラインの予約状況を見ると、Lynk&Co「01」に対する需要は極めて旺盛であり、主力モデル「博越(Boyue)」の発売当時を上回るペースという。吉利汽車は国内に生産施設5カ所(一部は建設中あるいは計画段階)を整備する計画。すべて稼働すれば、年産能力は120万台となる。

 Lynk&Coブランドの販売台数について、BOCIは18年に20万台、19年に48万を見込む。セダン、SUV、MPV、ワゴン車を含め、毎年、ニューモデル2-3種を投入すると予想。22年には販売台数100万台に乗せるとみている。一方、Lynk&Coの採算性についても楽観的であり、多くの中外合弁ブランドを上回ると予想。生産状況が安定し次第、純利益率が10-12%に達するとみている。

 BOCIは17-19年の予想純利益を98億2800万元、139億6900万元、185億200万元に設定。現在株価が18年、19年予想PERで15倍、11.3倍の水準にあることに触れ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。先進的な技術力やこの先投入されるニューモデルの魅力、さらに同社の成長見通しに言及し、同社目標株価(18年、19年予想PERで21.7倍、16.4倍に相当)を据え置いている。