前日(12月06日)の市場概況

ドル/円:リスクオンが後退

 月曜日に113.08円まで上昇して円安気味に推移していたドル/円ですが、この日は円高の動きが強まりました。高値は東京時間朝の112.62円で、欧州時間の朝に111.99円まで下落。その後も戻りは鈍く、終値は112.286円(前日比-0.28円)でした。(チャート1)

 トランプ減税法案を材料にしたドル買いが息切れ。日経平均株価が一時500円超下げて今年最大の下げ幅を記録。欧州株も続落するなど、リスクオンの動きが後退しました。

 トランプ大統領は、エルサレムをイスラエルの首都と認め、イスラエルのアメリカ使館をエルサレムに移転する方針を発表しました。エルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の共通の聖地であり、アラブ諸国やパレスチナからの反発は必至。日本にとっては、北朝鮮対策の軽視につながるとの不安もあります。ただ、米国内での評価はおおむね良かったようです。

 

 

ユーロ:ドイツ大連立期待遠のく

 ユーロ/ドルは下落。この日は1.18ドルを割ると、1.1780ドルまで下げて先月22日以来の安値をつけました。(チャート2)

 メルケル首相のCDU・CSU(キリスト教民主・社会同盟)と、第2党であるFDP(社会民主党)の大連立が、政策の相違点が大きく難航しているため。

 ユーロ/円も、ドル/円、ユーロ/ドルが共に下げたことで132.25円まで下落しました。(チャート3)

 
 

 

豪ドル:GDP発表後に売られる

 豪ドル/ドルは、この日発表された7-9月期のGDP(国内総生産)が予想を下回ったことで下落、0.7600ドルを割ると、NY時間には0.7558ドルまで下落しました。

 RBA(オーストラリア準備銀行)は5日の会合で、政策金利を1.5%に据え置きました。決定は市場予想通りでしたが、RBA声明の内容が思ったほど弱気な内容でなかったことが評価されて、3週間ぶりの高値をつけていました。

 この日の指標で一段高の期待がかかっていたのですが、結果がさえなかったことで逆に売りが強まりました。(チャート4)

 

 

この指標を見逃すな!! 12月7日の注目イベント

欧州GDP、ドラギ総裁

 

 今日の注目指標は、欧州の第3四半期GDP(国内総生産)。予想は前期比0.6%、前年同期比2.5%と堅調ですが、来年の成長率は、ユーロ高の影響で減速するとの見方も出ています。