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現在、2018年度の税制改正が新聞紙上などをにぎわせています。この税制改正の起点となるのが、翌年度以降の税制について12月14日に自民党がまとめる『税制改正大綱』です。政府は大綱に従って通常国会に税制改正法案を提出し、国会での審議を経て2018年度税制が決定される見込みです。今回最も注目されるのは所得税の改正です。
【ポイント1】『税制改正大綱』は自民党税制調査会が取りまとめ
所得税、法人税などが対象
■12月14日の『税制改正大綱』の取りまとめに向けて、自民党税制調査会において議論が本格化しています。調査会の中心となるのは、「インナー」と呼ばれる8人のメンバーです。
■今回の主な検討項目は、所得税、法人税、観光促進税、森林環境税、たばこ税、事業承継税制などです。中でも注目されるのは所得税の改正です。政府と自民・公明の与党は多様な働き方を税制面から後押しするため、所得税改革に数年かけて取り組む方針を掲げています。
【ポイント2】『税制改正大綱』の目玉は働き方の多様化への対応
所得税改正に注目
■所得税は働き方の多様化を踏まえて、すべての納税者に適用される基礎控除を引き上げ、会社員などに適用する給与所得控除を引き下げる方向で調整が進んでいます。
■現在の案では年収800万円を超える会社員は増税になります。また、高額所得者の年金控除の引き下げも検討されています。
■法人税は、3%程度の賃上げに加えて、IoT(モノのインターネット)など革新的な技術に投資した企業の税負担を20%程度まで引き下げることが検討されています。
【今後の展開】税制改正が競争力強化などにつながることを期待
■今回の『税制改正大綱』は、税体系全体でみると部分的改正にとどまり、所得税以外にもたばこ税、観光促進税など取りやすいところから取るという点で共通しています。税制改正は、働き方改革や社会保障制度などとセットにして総合的な視点から協議されることが望まれます。税制は今後、財政収支に配慮しつつ、国内の生産性や競争力向上につながる抜本的な改正が行われることが期待されます。
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