IMMポジション推移(11/07 ~ 11/28)

 

円:円のネットショート、2週連続で減少

 CFTC(全米先物取引委員会、Commodity Futures Trading Commission)発表による11月28日現在の建玉報告によると、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)通貨先物市場において、投機筋の円のネット枚数(円の買い建玉と売り建玉の差)は11万640枚のショートで、円の売り持ちが多い状況です。ドル換算にすると、約123億ドル相当のドルの買い持ち(円売り持ち)になります。円のネットショート枚数は、前週比で9.8%(約13億ドル)減りました。

 売買別では、買い建玉(円ロング)が前週比約10.3%減り、売り建玉(円ショート)も前週比約9.9%減りました。売り、買いともに縮小していますが、枚数では円売り建玉が円買い建玉の約3.6倍も減っています。ドル円が一時110円台後半まで円高が進んだことで、円ショートポジションの解消が出たと思われます。

IMM円  2015.11 ~ 2017.11

 

ユーロ:ユーロのネットロング、減る

 

  • ユーロのネット枚数(ユーロの買い建玉と売り建玉の差)は8万9,681枚のロングで、ユーロの買い持ちが多い状況が続いています。
  • ユーロ換算にすると、約112億ユーロの買い持ち(=約133億米ドルの売り持ち)。
  • ネットロング枚数は、前週比6.0%縮小。
  • 売買別では、買い建玉が前週比4.7%増えましたが、売り建玉も14.9%増えました。
  • 買い枚数以上に売り枚数が増え、ネットではロング枚数が少なくなりました。

IMMユーロ  2015.11 ~ 2017.11

 

豪ドル:ネットロングは、9週連続で縮小

  • 豪ドルのネット枚数(豪ドルの買い建玉と売り建玉の差)は3万8,882枚のロングで、豪ドルの買い持ちが多い状況が続いています。
  • 豪ドル換算にすると、約38億豪ドルの買い持ち(=約29億米ドルの売り持ち)。
  • ネットロング枚数は、前週比2.3%減。
  • ロング枚数の取り崩しは9週連続。
  • 売買別では、買い建玉が前週比0.1%増える一方、売り建玉は前週比2.6%増えました。
  • 全体として大きな動きはありませんでしたが、ネットのロング枚数が漸減しています。

IMM豪ドル  2015.11 ~ 2017.11

 

ポンド:再びロングに転換

 

  • ポンドのネット枚数(買い建玉と売り建玉の差)は、4,573枚のロング。ポンドの買い持ちが多いです。
  • ポンド換算にすると、約2億ポンドの買い持ち(=約3億米ドルの売り持ち)
  • 売買別では、買い建玉が前週比14.0%増えたのに対して、売り建玉は前週比5.7%増えました。買い建玉の増加が、ネットロングに切り替わった主な理由です。
  • 英国がEU離脱の際に支払う「手切れ金」の額でEU側と合意したとのニュースが伝わってから、ブレグジット交渉の進展を期待したポンド買いが活発になっています。IMMのポジションは、ロングとショートを行ったり来たりしていましたが、ここからしばらくは買い枚数が増加していくかもしれません。

IMMポンド  2015.11 ~ 2017.11