前日(12月04日)の市場概況

ドル/円:113円台にのせるが、滞在時間は短い

 トランプ税制改革法案が米上院で可決。週明けのドル/円は、リスクオンのムードに乗って、先週の終値比べて60銭近く円安の112.75円に窓を開けてオープン。NY時間には11月17日以来となる113円台にのせ、113.08円まで上値を伸ばしました。

 金曜日に一時350ドルも下げたダウNY株価は、再び史上最高値を更新。ロシア疑惑のニュースにもかかわらずリスクオンムードが損なわれていないことが、ドルを押し上げました(チャート1)

 しかし、NY市場の終盤にかけては失速。行き過ぎた楽観ムードに対する警戒も出て、当日安値となる112.55円まで下げました。終値は112.418円(前日比+0.242円)。

 

 

ポンド:ブレグジット交渉期待で一段高

 ポンド/円は欧州時間に急上昇。ブレグジット交渉における大きな争点であるアイルランドと北アイルランドの国境問題で、英国とEU(欧州連合)がで合意に達したとの報道が背景でした。

 ポンド/円は152.94円まで値を伸ばし、昨年6月の英国民投票以来の高値を更新、ポンド/ドルも1.3538ドルまで値を伸ばしました。(チャート2、3)

 しかし、その後、ユンケル欧州委員長が「完全な合意には至らなかった」と否定的なコメントを出したために一転急落する場面もありました。

 来週開かれるEU閣僚会議で、ブレグジット交渉が次の通商問題へ進む可能性が高まっています。ただし、これはある程度織り込み済み。マーケットはプラスアルファの材料を期待しています。

 
 

 

この指標を見逃すな!! 12月5日の注目イベント

RBA政策金利、欧州PMI

 

 RBA(オーストラリア準備銀行)は、今年最後となるこの日会合で政策金利を1.5%に据え置く方針。労働賃金の伸び悩みや住宅価格の下落を憂慮するRBAは、政策スタンスを中立からやや緩和寄りにシフトすることも考えられます。

 ただ、現時点では、利上げ時期をさらに先延ばしにするほど、豪州経済が弱まっているわけではありません。RBAの最初の利上げ時期は、2018年第4四半期になるといわれています。