前日(11月29日)の市場概況

ドル/円:112円に戻るが・・・

 この日のドル/円は、東京時間の111.32円が安値で、徐々に値を伸ばしてNY時間に112.15円まで上昇。5営業日ぶりに112円台にのせました。

 トランプ税制改革に対する期待や7-9月期の米国の成長率が予想を上回ったこと、加えてイエレン議長が米景気に楽観的な見通しを示すと同時に、性急な利上げはしない述べたことで、NY株価が史上最高値を更新。リスクセンチメントが強まり、ドル/円の上昇につながりました。

 しかし、北の地政学リスクも気になって112円の滞空時間は短く、終値は111.953円(前日比+0.504円)。(チャート1)

 今夜発表の、米国の10月個人消費支出(PCEコア・デフレーター)は前月比0.2%の予想。米国のインフレ率は一時的な弱さを脱したとの意見もありますが、伸び率は依然として低いまま。パウエル次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長も、「最近のインフレ率は弱い」と驚くほどです。来年度のFRBの利上げは、状況を見ながらの、段階的なものになると思われます。

 

 

ユーロ/ドル:冴えない展開

 ユーロ/ドルは、月曜日につけた1.1961ドルがピークとなって下落に転じ、この日は1.1813ドルまで下値を拡大。ユーロの材料が不足しているところにドル高の流れで、押し戻される展開となりました。(チャート2)

 本日発表のユーロ圏のCPI(消費者物価指数)は、1.6%に上昇(前回1.4%)の予想。今後さらに上向くと期待され、量的緩和の終了を目指すECB(欧州中央銀行)のとって、強い支援材料となるでしょう。

 

ポンド/ドル、ポンド/円:ブレグジット交渉の進展期待で上昇

 ポンドは上値拡大。英国がEU(欧州連合)に離脱の際に支払う金額で合意したとの報道が理由。この点をクリアできると、次はいよいよ最重点項目の貿易協定の協議を始めることになるわけで、期待感からポンドは弾みがついて、2カ月ぶりの1.3447ドルまで上伸。(チャート3)

ポンド/円も、11月8日以来の150円の大台に乗せました。(チャート4)

 
 

 

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欧州HICP、米個人消費支出