前日(11月28日)の市場概況

ドル/円:マーケットはミサイル発射に関心なし

 日本時間午前3時すぎ、北朝鮮がまたも大陸弾道ミサイルを日本海に向けて発射。ミサイルは青森県沖の日本のEEZ排他的経済水域(排他的経済水域)内に落下しました。

 しかし、マーケットの反応は限定的。ドル/円は以前のように円高方向に激しく動くことはなく、下げは111.04円まで。むしろ、トランプ大統領の税制改革法案が米上院で承認されたことを好感したドル買いで111.63円まで上昇、この日の高値をつけました。この日の安値は東京時間午前につけた110.93円。終値は111.449円(前日比+0.370円)。(チャート1)

 またNY株式も主要3指数がいずれも終値での最高値を更新するなど、マーケットが地政学リスクを気にする様子はありませんでした。

 本日は、米国の7-9月期GDP(国内総生産改定値)が発表になります。3.2%に上方修正の予想(速報値3.0%)。11月の米消費者信頼感指数が約17年ぶりの高水準になるなど、ここ数カ月の先行指数(ソフトデータ)は、強い数字を示しています。実際の数字(ハードデータ)がソフトデータに追いついてきたことを確認することが、今夜のGDPのポイントになります。

 

ポンド/ドル、ポンド/円:ブレグジット問題で大きく上下

 ブレグジットで大きな問題となっているのが、英国と陸続きで接している、EU(欧州連合)側のアイルランドとの国境をどう取り扱うかということです。この件を巡ってアイルランドの内政も混乱しており、国境問題がさらに複雑化するとの懸念から、ポンド/ドルは1.33ドルなかばから1.3221ドルまで大幅下落しました。

 ところが、NY市場終盤になって英国がEUに支払う「手切れ金」の額で合意したとの報道で、今度は.3386ドルまで急騰。直後に英政府が否定しましたが、高値圏を維持しています。(チャート2)

 ポンド/円も10月9日の安値に迫る146.98円まで大きく下げた後、149.27円まで急反発しました。(チャート3)

 

 

この指標を見逃すな!! 11月29日の注目イベント

ドイツCPI、米国GDP、米ベージュブック