前日(11月21日)の市場概況

ドル/円:今夜のFOMC議事録に注目

 ドル/円は、112.70円から112.17円までの比較的狭いレンジで取引。終値は112.435円(前日比-0.185円)。(チャート1)

 今夜は11月FOMC(米連邦公開市場委員会)会合の議事録が公表されます。このときの会合でFOMCは、予想通り政策金利であるFF金利目標レンジを現行水準に据え置きました。声明では、ハリケーンから順調に回復している経済活動や堅調な労働市場を評価。利上げの準備が整っていることを印象づけました。最近の連銀総裁のスピーチでも、ほぼ全員が12月利上げを支持しています。

 その一方で、インフレ率の伸び悩みを懸念する声も多く、今回の議事録では、FOMCメンバーのインフレ見通しが注目ポイントになるでしょう。

 

 

ユーロ/ドル:明日はECB議事録

 ユーロ/ドルのレンジは1.1712ドルから1.1757ドル。ドイツの政治的混乱と停滞は来年春先まで長引く可能性が高く、ユーロは上値が重い動きとなりました。(チャート2)

 日本と米国が休みの明日は、欧州の経済指標が集中します。

 ドイツと欧州では11月のPMI(購買担当者景気指数)が発表されますが、こちらは高い水準で横ばいの予想。欧州の雇用市場は上向き、第4四半期の成長率は大きく伸びると期待されています。ドイツの政治問題を抱えるなかで、強い経済指標がユーロの支えとなるでしょう。

 また10月のECB(欧州中央銀行)議事録も公表されます。ECBはこのときの会合で、債券購入枠を、来年1月から月額600億ユーロから300億ユーロに減額することを決定。ただ、ECBが完全にタカ派にきりかわったわけではなく、全体として見るとしばらく緩和スタンスを維持する姿勢で、量的緩和が終了する予定の2019年7月まで、利上げはしないと見られています。

 

 

ポンド/ドル:ブレグジット交渉にひかり見える

 ユーロ/ドルと対照的に、ポンド/ドルは1.32ドルが底固くなり、じわじわと1.3266ドルまで上昇。英国がEU離脱に際して支払う「手切れ金」を増額する用意があるとのニュースで、ブレグジット交渉が次の段階へ進む期待がでてきたことが理由。(チャート3)

 明日発表される英国の7-9月期GDP(国内総生産)は速報値と変わらず、前期比0.4%、前年同期比1.5%の予想。ブレグジット交渉が難航するほど、英国への投資意欲が後退することになり、今後は英国の成長率が低下すると懸念されています。

 

 

この指標を見逃すな!! 11月22、23日の注目イベント

11/22(水曜日):FOMC議事録、耐久消費財受注

 今夜のハイライトはFOMC議事録。経済指標では10月の米耐久財受注が、8月と9月の急上昇の反動で、0.4%に低下する可能性があります。

11/23(木曜日):ECB議事録、ユーロPMI、英GDP、カナダ小売売上高

経済指標過去データはこちらをチェック!

 明日は欧州の経済指標のほかには、カナダ小売売上高があります。9月は前月比1.0%と前回(-0.3%)から大きく改善の予想。BoC(カナダ中央銀行)は先月の会合で政策金利を1.00%に据え置き、ポロズ・カナダ銀行総裁は、今後の利上げに関しては「経済データ次第」だと述べました。カナダドルの動向に占める経済指標のウェイトはこれまで以上に大きくなるなか、10月のCPI(消費者物価指数)が予想を下回っただけに、今回の小売売上高に期待がかかっています。