前日(11月17日)の市場概況

ドル/円:円高進み110円近し

 週末のマーケットは、円全面高の展開。ドル/円はオープンから上値が重く、高値は113.14円まで。東京時間午前のうちに112円台前半まで大きく下げました。その後しばらく112.50前後の取引を続けましたが、NY時間にダウ平均株価が前日比で100ドルを超下落したのを見て投資家心理が悪化。米長期金利の低下とともにドルが売られ、ドル/円は10月16日以来初めて112円を割って111.94円の安値をつけました。(チャート1)

 

 トランプ大統領を巡るロシア疑惑が再浮上するなど、政治スキャンダルが再浮上したこともドルの黄信号。減税法案は米下院で可決されましたが、ドル買いにはつながっていません。上院は異なる内容の法案を審議中とのことで、トランプ政権の法案が成立するかはまだ不透明な状況になっています。今週前半には、はるか下だった110円台が、急速に近くなったように感じます。

 

ユーロ/円:下落

 センチメントが変化したのはユーロ/ドルも同じ。ECB(欧州中央銀行)直後は一斉に売りに走っていたのが、今では、押し目をじりじりと待っている状況です。ただこの日はユーロ/円の売りが盛んで、上値を伸ばせませんでした。ユーロ/円は東京時間朝の113.15円が高値で、NY時間には132.05円まで下落しました。(チャート2)

豪ドル/円:11月21日RBA議事録

 豪ドル/円も下げ足を強め、85.84円から、6月26日以来の安値となる84.63円まで下落。(チャート3)

 11月21日東京時間に、11月RBA(オーストラリア準備銀行)会合の議事録が公表されます。議事録では、RBAの金融政策が緩和にも引き締めにも偏らず「中立」的方向を維持することが示されるでしょう。

 豪経済は、SoMP(金融政策報告書)でインフレ予想が下方修正されたことや、雇用データの賃金指数の伸びが過去10年で最低だったことを考えると上向いているとは言えません。ロウRBA総裁は今週会見を開く予定ですが、金融政策をやや緩和寄りにシフトする可能性もあります。