三尊天井崩れの思惑がはずれてユーロ/ドル相場はショートスクウィーズに
11月2日に「三尊天井の出現で投機筋の注目を集めるユーロ/ドル相場」というレポートを書いた。投機筋は三尊天井崩れ相場を狙ってユーロ売りに参入していた。レポートに、「ブローカーの話では、三尊天井崩れでユーロ売りに参入してきた投機筋は、21日移動平均線あたりにストップロス注文を置いているようだ」と書いたが、11月14日の相場で、このストップロスオーダーをかる動きが出て、この日の相場は長大陽線の出現となった。この長大陽線の出現でラリー・ウィリアムズの順張り売買システムは買い転換している。
ユーロ/ドル(日足)
ユーロ/ドル(日足)
ユーロ/ドル(週足)
ユーロ/ドル相場はADXや標準偏差をみると日足も週足も買いトレンドが発生しているわけではなく、現在は調整相場である。ここは次のトレンドを待ちたい。
ドルの総合力を示すドルインデックス先物の動きをみると、10月中旬から久しぶりの買いトレンドが発生していたが、現在は消滅してしまった。しばらく、ランダムな相場展開となりそうだ。
ドルインデックス先物(日足)
ドルインデックス先物(週足)
ドル/円相場の113円割れと新興国通貨の軟調
ドル/円が113円を割り込んできた。米国債の長短スプレッド(10年債と2年債の金利差)が70ベーシスを割り込んだあたりから、ドルの上値が重くなっている。
米国債の長短スプレッド(10年債と2年債の金利差)
筆者の観察しているドル/円の逆張りシステムは断続的に売りシグナルが点灯しているが、ドル/円の日足のトレンド指標は調整相場を示唆している。今は次のトレンド待ちの状況であろう。
ドル/円(日足)と逆張り売買システム
ドル/円(日足)
トレンド相場となっているのは新興国通貨で、トルコリラ/円や南アランド/円が売りトレンド相場となっている。それぞれ違う悪材料で下げているが、「どこまで下がるのですか」という照会が多い。標準偏差とADXがピークアウトするまでは下げ基調は変わらないだろう。
トルコリラ/円(日足)
南アランド/円(日足)
株式市場は強烈な買いトレンド相場終了後の調整相場
ここまで、日経平均は52日ボリンジャーバンド+2シグマを2日連続飛び出したのを合図に、“電車道相場” と呼ばれる暴騰相場を演じてきた。
ラリー・ウィリアムズの日足の順張りシステムを確認しても、まだ日経平均相場やNYダウ相場の大局は買い相場の継続となっている。
日経平均(日足)
NYダウ(日足)
足元の相場は強烈な買いトレンド相場は終了しており、調整相場の特徴であるランダムな相場展開となっている。ただし、相場は下げていても売りトレンドが発生しているわけではない。ボラティリティレベルの高い相場なので振れの値幅は大きくなるが、次のトレンドが発生するまでは、基本は横ばいの日柄調整相場となるだろう。
日経平均(日足)
NYダウ(日足)と相場の調整局面
ラリー・ウィリアムズの分析でもADラインやモメンタムが上昇エネルギーの鈍化を示唆しており、ここからの相場は乱高下しやすい展開となるだろう。
S&P500先物(日足)
ウイリアムズのADラインとモメンタム
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