子供用ブランドの再投入が成長エンジンに、商談会受注は2桁増へ加速

現地コード 銘柄名
02331 李寧
(リネイ)
株価 情報種類
 6.85HKD
(11/9現在)
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 BOCIによると、子供向けブランド「李寧YOUNG」の再投入や中国南部市場での製品構成の調整、さらにネット販売の好調などが、李寧の2018年の増収に寄与する見通し。足元の受注状況は上向いており、同社の発表では、商談会での2018年4-6月期向けの受注は前年同期比2桁増と、1-3月期向けの1桁台後半から加速傾向を示した。販売代理事業者による先行き信頼感の改善がその背景にあるという。BOCIは市場そのものの成長潜在力や李寧のブランド力を理由に、同社のキッズ部門への投資を前向きに評価。目標株価を引き上げるとともに、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 同社は7-9月期にキッズブランド「李寧YOUNG」を再投入した。9月末時点で店舗数総数は87店だったが、BOCIによれば、2018年末には500店(直営店およびフランチャイズ店)まで拡大する見通しという。国家統計局によると、国内の14歳未満の児童数は15年末に2億4,200万人を数えたが、2020年末には2億6,100万人に増加する見込み。英ユーロモニターの調査によれば、中国の14歳未満の子供用アパレル市場は膨大で、2016年に1,450億元規模。児童数の増加や支出増により、同市場は2017-2019年に年率平均7%の伸びを示す見通しという。1人当たりの子供用衣料品の消費額は2016年に16米ドルと、日本の60.9米ドル、米国の97.4米ドル、英国の124.0米ドルを大きく下回る水準にあり、成長余力は極めて大きい。

 また、子供用アパレル市場は今のところ、極めて細分化されており、最有力ブランド「Balabala(巴拉巴拉)」ですら、国内シェアはわずか5%(16年、ユーロモニター調べ)。その他ブランドのシェアは1%以下にとどまるのが現状という。市場の大半を握るのは地場系メーカーであり、ナイキやアディダスといった多国籍ブランドの存在感も薄い。BOCIはブランド力を武器とした李寧の成長潜在力を指摘。18年末までには同社の店舗数が500に増えると予想しながらも、1,000店以上を展開する同業他社との比較では依然少ないとしている。

 2018年4-6月向けの商談会では2桁の受注増を達成したが、その一因は中国北部市場に比べて苦戦してきた南部で、タイムリーな製品構成の調整を実施したこと。BOCIは販売代理店の信頼度回復を受け、2018年下期いっぱい2桁増の勢いが続くとみている。

 BOCIは同社の2018年、2019年の予想純利益をそれぞれ2%、5%増額修正し、さらに目標株価算出上のベースを17年から18年に更新。DCF(ディスカウントキャシュフロー)方式に基づき、目標株価を引き上げた(加重平均資本コスト=WACCは9.8%、残存価値増加率2.0%を想定)。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、在庫処理状況やコスト管理状況などが予想を下回る可能性を挙げている。