BMW合弁事業、短期的にコスト増も先行き見通し楽観

現地コード 銘柄名
01114 華晨中国汽車控股
(ブリリアンス・チャイナ・オートモーティブ)
株価 情報種類
 20.10HKD
(11/8現在)
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 独BMWグループが発表した2017年7-9月期決算では、中国の合弁会社BMWブリリアンス・オートモーティブ(BBA)による同期の利益貢献は1億6,800万ユーロ(13億元)だった。これはBOCIの予想(16億元)を下回る数字。主に◇下期に入ってからの減価償却費の増大を受けた予想以上のコスト高、◇まだ初期段階にある新型5シリーズの採算性が、予想下押しの原因となった可能性が高いという。BOCIは短期的には、減価償却費の増大が利益圧迫要因になるとしながらも、5シリーズの販売増見通しや18年の新型X3の投入を理由に、BBAの成長見通しを楽観。ブリリアンス・チャイナの株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 BMWの7-9月期決算を見ると、合弁会社BBAの利益貢献は前年同期比5.6%減、前期比で9.1%増となる1億6,800万ユーロ。人民元換算では前年同期比0.2%減、前期比12.8%増の13億2,000万元となった(期中の平均為替レートで換算)。利益下押し要因になったとみられるのは減価償却費の増大だが、経営陣によれば、2017年通期の減価償却費は44億元に上る見通しであり、うち上期の計上分は19億元。下期には25億元に膨らむ計算となる。また、7-9月期には新型5シリーズがまだ販売初期段階にあることが、同期の出荷台数1台当たりの利益を圧迫した可能性が高いという(1-3月期に3万301元、4-6月期に2万4875元、7-9月期に2万7,037元)。

 BBAの販売台数は7-9月期に前年同期比14.7%増、前期比3.8%増の9万7432台。新型5シリーズの販売台数が前期比15.2%増の2万7,487台に達したことが全体の伸びに寄与した。BBAはエントリーモデルの一段の値下げに向け、2018年1-3月期に「525Li」を投入する予定。これは現在の「528Li」(希望小売価格44万9,900元)に代わるモデル。5シリーズの敷居が低くなることで、若年層の取り込みが期待されている。

 BOCIはBBAの2017年、2018年の予想販売台数(39万台、46万2,000台)を据え置いた。2018年には新型5シリーズの販売増や、年半ばに予定する新型X3の投入――が販売台数の上乗せに寄与するとの見方だ。減価償却費の増大見通しを受け、2017年に関してはブリリアンス・チャイナ(BBAの50%を保有)に対するBBAの利益貢献見通しを58億元から55億元に下方修正。これに伴い、ブリリアンスの17年の予想純利益を48億元へ6.5%減額修正したが、減価償却費を含む各種コストは2017年がピークになると予想。2018年、2019年に関しては76億5,000万元、102億元との予想純利益を据え置いている。

 同社株価は現在、2018年、2019年の予想PERで11.3倍、8.5倍。BOCIは2010年以降の業績拡大時のヒストリカルレンジ(11-15倍)を見る限り、割高感はないとの見方。2018年、2019年予想PERで14倍、10.5倍に相当する現行の目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。