中国フィンテック市場のパイオニア、成長潜在力を高く評価

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02318 中国平安保険集団(ピンアン・インシュランス  51.25 HKD
(06/15現在)
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BOCIは中国のフィンテック市場において、中国平安保険が全金融機関のパイオニアであるとし、この点で同社を高く評価している(フィンテックはスマートフォンやビッグデータを用いた次世代型金融サービスを指す)。すでに一部分野においては、同社の技術レベルや応用が有力ネット企業に匹敵する水準にあるとの見方。フィンテック事業の発展に目を向け、同社の企業価値を算出するための手法を見直す時期が来たとしている。現時点では、インターネットを介して借り手と貸し手を結びつけるP2P(ピア・ツー・ピア)プラットフォーム「陸金所」(Lufax)の価値に対する強気評価を織り込む形で、目標株価を上方修正。同社株価の先行きに対して強気の見通しを継続している。

BOCIはフィンテックの発展という一点から、その他金融機関とは別の視点で中国平安保険を捉えている。これは単に既存バックオフィス機能のデジタル化によるコスト効率の改善を意味するだけでなく、新たなビジネスモデルや機会の創出につながるとの見方だ。例えば、平安保険グループが抱える個人の金融サービス顧客は1億3100万人だが、これに対し、同社のネットサービスユーザーは3億4600万人、アプリユーザーは2億3300万人。これは中国のアプリ20強に匹敵する数字となる。国内金融機関の場合、通常はオフライン個人顧客のうち、オンラインサービス、モバイルサービスを利用するのは30%未満であり、この点では平安保険は大きく異なる。

中国の3大ネット企業、百度(バイドゥ)、アリババ、テンセント(00700)やその他ハイテク大手と比較した場合、人工知能AIやクラウドなど全分野で同社フィンテックの技術レベルが優位にあるとは言えないが、広範な金融商品・サービスを武器としたフィンテック応用面の多彩な状況設定が強み。総合金融グループである同社は、あらゆる資産クラスやあらゆる金融商品を扱えるだけの多様な事業免許を手にしている。

同社のフィンテック・ビジネスのうち、BOCIが特に有望視しているのは「陸金所」と、O2O健康サービスプラットフォーム「Ping An Good Doctor」(平安好医生)、ワンストップ型の自動車サービスアプリ「Ping An Auto Owner」(平安好車主)。いずれも各分野のマーケットリーダーで、うち「陸金所」は2016年に重慶金融資産交易所、深セン前海金融資産交易所などと統合したことで、P2Pプラットフォームからさらに進化。中国最大のネット金融情報サービスプラットフォームとも言える存在となった。17年3月現在、登録ユーザーは3000万人超。16年の総取引高は5兆7200億元に達している。

BOCIは17-19年の利益見通しを据え置きながらも、「陸金所」に対する評価を反映させる形で目標株価を上方修正した。レーティング見直しにつながる可能性のあるプラス要因としては、ネット金融ビジネスのスピンオフ上場の可能性を指摘。逆にネガティブ要因としては、仮に国内経済が悪化した場合の与信業務などへの悪影響を挙げている。

 

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