2017年1-9月期に好決算、免税店契約更新で18-19年の利益見通し増額修正

現地コード 銘柄名
00694 北京首都国際機場
(ベイジン・キャピタル・インターナショナル・エアポート)
株価 情報種類
 12.80HKD
(11/1現在)
 株価
 企業情報
 チャート

 北京首都国際機場は2017年1-6月中間期の流れを受け継ぎ、1-9月期も好決算を達成した(中国会計基準)。1-9月の売上高は前年同期比9.3%増。航空機発着数が前年同期比2.3%縮小する中、非航空業務が増収に寄与したもよう。純利益は同38.4%増の19億4,400万元と、BOCIの17年通期予想の82%に当たる数字となった。同社は7月、中国免税品集団(China Duty Free Group)との間で新たな免税店コンセッション契約を締結しており、BOCIはこれに伴い、2018年、2019年に大幅な利益上乗せが期待できるとの見方。目標株価を小幅に引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。

 BOCIによれば、同社が運営する北京首都国際空港の航空機発着数は2017-2019年にそれぞれ前年比3.1%減、0.5%増、1.1%増と、小幅の増減にとどまる見込み。ただ、新たな免税店コンセッション契約はBOCIの事前予想を上回る好条件。2018年から8年間にわたる長期契約だが、最低契約料金は30億元と、旧契約下にあった16年の約3倍。一方、売り上げ配分の割合は空港ターミナル2で47.5%、ターミナル3で43.5%に設定され、免税事業者側はどちらか高い方の金額を北京首都国際機場に支払う運びとなる。BOCIはこの契約内容を反映させる形で、同社の2017-2019年の予想純利益をそれぞれ3.2%、22.6%、19.1%増額修正した。

 2017年9月には、中国民用航空局(CAAC)が国内東南地区の空港を対象に、発着枠や運行路線の増加率に5%程度の上限を設ける新たな規定を通達した。発着スケジュールの遅れを最小限に抑えるのが目的であり、2017/2018年の冬・春シーズン(2017年10月29日-2018年3月24日)から施行される運び。これにより、同社としては発着量を最大容量の75%程度に抑える必要が生じるという。ただ、同社経営陣によれば、それでも1日当たりの運行数は新シーズンの第1週目に1,730便となり、便数の減少幅は同14便程度。また、国内便数が落ち込む半面、国際便は前年同期比5%程度の増便が認められるとしている。

 BOCIは2019年から4年間にわたる過渡期において、北京首都国際空港から北京第2空港へのフライトの移転が現行便数の32%に上るとみている。ただ、その一方で、力強い航空輸送需要を受け、移転対象となる年間8%分の枠に新たなフライトが割り振られるとの見方。2018年予想PER15.7倍(過去3年の平均値とほぼ同じ)をあてはめて目標株価を小幅に引き上げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、2020年以降の「民間航空発展基金」への支払い配分をめぐる不透明感や、北京第2空港へのフライトの移転が予想以上に大規模となる可能性――を挙げている。