生産能力増強と既存工場の効率化で17年業績を楽観

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02313 申洲国際集団控股(シェンジョウ・インターナショナル)  51.55 HKD
(06/15現在)
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BOCIはベトナムでの生産力増強や既存工場の効率化を理由に、申洲国際集団の2017年の収益見通しを楽観している。綿価格の上昇を背景にコスト圧力は増大しているものの、製品の平均販売価格(ASP)の上昇やベトナムでの税負担の軽減がカバーするとの見方。目標株価を引き上げた上で、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

同社は17年中に、衣料品生産能力を10%台前半から半ばの幅で引き上げる計画。うち約半分はベトナムでの生産増強。残り半分は中国およびカンボジア工場の効率化を通じて達成する。うちベトナムでは17年末までに、作業員数を現在の8000人から1万-1万1000人に増やす予定。BOCIは17年末にはベトナムが同社生産能力全体の7%を占めるとみている。一方、同社はカンボジアの既存工場の作業員数を約1万1000人に維持する方針であり、新工場の建設計画がない限り、雇用数を増やす必要はないとしている。

主要取引先からの受注状況は堅調。BOCIはナイキ、ユニクロ、プーマからの受注について、17年にそれぞれ前年比約20%、8%、10%の伸びを見込む。アディダスに関しては生産能力上の制約から、横ばい、あるいは一桁台前半の伸びにとどまるとみているものの、設備増強や急ぎのオーダーの増加もあり、全体では受注量が13%増えるとの見方。また、製品ミックスの優良化により、平均販売価格も4-5%上向くとみている。

綿糸の平均価格が前年同期比を10%上回る水準にあることから、原材料調達コストは増大しているが、BOCIはそれでも、17年いっぱい、利幅低下圧力は限られるとの見方だ。同社が17年上期、1-3月期にそれぞれ綿糸、合成繊維を固定価格ベースで調達していたことが一因。下期についても、製品ミックスの優良化やオートメーション化が、コスト増加圧力を相殺するとみている。BOCIの利益モデルによれば、粗利益率は17-18年に横ばいに推移する見込み。純利益率は税制優遇やスケールメリットの拡大を受け、17-18年にかけて0.7ポイント改善する見通しという。課税優遇の恩恵で、ベトナム工場の税率は営業利益計上の初年度に当たる17年にわずか5%。また、転換社債の転換を受けた財務費用の低減も純利益率の改善に寄与するとみられる。

BOCIは生産力ひっ迫を受けた増収ペースの下押しを反映させる形で、17年、18年の予想純利益をそれぞれ3%、6%減額修正しながらも、両年の予想EPSの平均値(全面希薄化後で平均2.7元)をベースに予想PER20倍をあてはめ、目標株価を上方修正した。17年末の人民元相場に関しては1米ドル=7.0元を想定している。一方、レーティング見直しにつながる可能性のある同社の潜在リスク要因としては、生産能力のひっ迫と、主要取引先からの受注減の可能性を挙げている。

 

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