海外の個別株式への投資は、情報の入手が困難であるなど個人の投資家にはハードルが高いうえ、限られた資金では、分散投資が難しいという難点があります。また、現物を使った外国債券投資は、取引単位が大きいことから、個人の投資手段として向いているとはいえません。その点、投資信託には海外資産を投資対象とする商品が数多くありますので、これらを活用することで、グローバルな分散投資が可能になります。
また、外国株式ファンドの場合は、単一国に投資するファンドや、北米、ユーロ圏といった地域を限定するファンド、さらにグローバルに投資するファンドなど種類が豊富なので、投資対象国をどこまで広げるかをファンドの購入者側で判断することができます。
国内投信と外国投信
海外資産を投資対象とする投資信託には「国内投信」と「外国投信(外国籍投信)」があります。「国内投信」とは、日本の投信法に基づいて設立される投資信託です。一方、「外国投信」は、海外の法律に基づいて海外で設立され、日本に持ち込まれて販売される投資信託です。
両者には、(1)「外国投信」は外貨建てであることが多い、(2)「国内投信」の基準価額は新聞に掲載されるのに対して「外国投信」では掲載されず、販売会社のホームページなどで確認する必要がある、(3)「外国投信」を購入するには「外国証券取引口座」の開設が必要になる、(4)税金の取り扱いが異なる、などの違いがあります。
海外ETF
ETF(Exchange Traded Fundの略)は、株価指数などの各種指数に連動することを目的に運用される投資信託の一種で、証券取引所に上場されています。日本では「株価指数連動型上場投資信託」と呼ばれています。海外ETFは、海外の証券取引所に上場されているETFで、通常の外国株式同様に相場を見ながらリアルタイムで売買をすることができます。比較的低い保有コスト(信託報酬)で海外に投資することができるところが、海外ETFの大きな魅力です。
外国債券ファンド
外国の公社債などで運用する外国債券ファンドには、ソブリン債(政府や政府機関、または世界銀行などの国際機関が発行する債券)などの高格付けの債券だけで運用するものから、高い収益を狙って格付けの低い債券に投資対象を広げているものまで、商品性に幅があります。
なお、外国の金利・債券利回りが国内金利に比べて高くても、為替変動リスクがあるため、それをそのまま享受できないという点には注意しましょう。
外国債券ファンドの中で、比較的、始めやすいのは外貨建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)でしょう。外貨建てMMFは、格付の高い外国の債券や短期証券に投資する投資信託です。小額での購入が可能で、いつでも購入・換金ができます。利回りは運用実績に応じて変わりますので、元本が保証されているわけではありませんが、安全性の高い運用を目指す商品です。
為替ヘッジの選択
外貨建て資産を投資対象とする投資信託の中には、購入しようとする投資家に、為替ヘッジを行うコースと、行わないコースを選択させるものがあります。
為替ヘッジとは、外貨建て資産に投資する場合に、為替の変動リスクを避けるため、あらかじめ将来の為替レートを予約しておくことです。為替ヘッジをすることで為替変動による資産の目減りを防ぐことができますが、半面、ヘッジを行うためのコストが掛かっているということを忘れないようにしましょう。
国内投信と海外投信の違い
国内投信 | 海外投信 | |
---|---|---|
基づく投信法 | 日本 | 外国 |
通貨 | 円建て | 外貨建て |
外国証券取引口座の有無 | 不要 | 必要 |
為替手数料 | 不要 | 必要 |
基準価額の確認 | 新聞に掲載 | 新聞掲載なし |
投資信託の譲渡益 | 課税(10%)注 | 非課税 |
(注)平成21年1月から20%
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