「株式投資信託」とは、株式への投資を主とした投資信託です。株式市場の影響を大きく受けることから、一般的に公社債投資信託よりもリスクが大きいのが特徴です。
公社債投資信託が株式を一切含まないのに対して、株式投資信託は公社債に投資することもできます。株式と債券を組み合わせるようなタイプ(バランス型と呼ばれます)はもちろん、約款上は株式に投資できるけれども実際には投資しないようなタイプ(外国債券だけで運用するファンド)も、制度上は株式投資信託として扱われるわけですから、一口に株式投資信託といってもさまざまな種類があります。
株式投資信託の種類
株式投資信託は、投資対象および運用手法によって、大きく8種類に分類されています(投資信託協会の分類)。
(1)国内株式型
株式の組み入れ限度額が70%以上で、主に国内株式を中心に運用を行うファンドです。国内株式型はさらに次の4つに分類されます。
一般型 | アクティブ運用(第10章参照)を行うファンドや、「IT関連」「地球温暖化対策関連」といった特定のテーマを持ったファンドが含まれます。 |
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大型株型 | 大型株(上場株式数2億株以上)を中心に組み入れるファンド |
中小型株型 | 中小型株(上場株式数2億株未満)を中心に組み入れるファンド |
業種別選択型 | 業種別あるいはテーマ別に投資を行う数本のファンドでグループが構成されている。投資家はそれらの中からファンドを選択し、グループ内で無手数料または安い手数料でファンドの乗り換え(スイッチング)を行うことができる。 |
(2)国際株式型
株式の組み入れ限度額が70%以上で、主に外国株式を中心に運用を行うファンドです。世界各国の株式に広く分散投資を行うものから特定の国・地域に限定して投資を行うものまであり、一般型(広く分散するタイプ)、北米型、アジア・オセアニア型、欧州型、中南米型、アフリカ型の6つに分類されます。
(3)バランス型
株式の組み入れ限度が70%未満で、株式と公社債等で運用を行うファンド、および公社債を中心に運用するファンドです。外国債券を主な投資対象とするファンドもバランス型に分類されます。
(4)転換社債型
株式の組み入れ限度30%以下で、主に転換社債(新株予約券付社債)を中心に運用を行うファンドです。
(5)インデックス型
日経平均株価(日経225)や東証株価指数(TOPIX)といった特定の株価指数に連動する運用成果を目指すファンドです。(第10章参照)
(6)業種別インデックス型
株式の組み入れ限度額が70%以上で、国内の一定の業種に属する株式(例えば電機・精密株、医薬品・食品株等)を投資対象とするファンドです。国内株式型の業種別選択型と同様、数本のファンドでグループが構成され、投資家はそれらの中からファンドを選択し、グループ内で無手数料または安い手数料でファンドの乗り換え(スイッチング)を行うことができます。
(7)派生商品型
デリバティブ(派生商品)を積極的に活用し、大きなリターンをねらうタイプのファンドです。たとえば、日経平均株価(日経225)が値上がりしたら、その値動きの1~3倍連動して値上がりするタイプ(ブル型ファンド)や、逆に値下がりしたら1~3倍連動して値上がりするタイプ(ベア型ファンド)などがあります。
(8)ファンド・オブ・ファンズ
主として他の投資信託に投資するファンドです。世界各国の株式、債券及びヘッジファンド等に分散投資を行うファンドや、主にエマージング諸国の株式若しくは債券に投資を行うファンドの多くは、ファンド・オブ・ファンズに分類されます。
株式投資信託を購入する時のチェックポイント
株式投資信託の目論見書には、必ずファンド名の下に「追加型株式投資信託/国内株式型(一般型)」といった種類名も書いてあります。これでファンドの大まかな内容がつかめるので、自分の運用目的に合った商品かどうかが分かります。
そして、株式の組入比率(どの程度株式を組み入れているか)も大切なチェックポイントです。最近では、株式の組入比率を動かさないのが一般的ですが、中には弾力的に組入比率を変化させるファンドもあります。株式の組入比率は、運用成績に大きく影響を与えるので、目論見書でしっかりと確認したうえで購入の判断をしてください。
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