米国事業の効率化や中国での利益率改善を予想、向こう3年の業績見通しを楽観

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00288 万洲国際有限公司(WHグループ)  7.50 HKD
(06/20現在)
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BOCIは万洲国際の株価の先行きに対して強気見通しを示すとともに、同社株のカバレッジを開始した。同社の株価は年初からすでに20%値上がりしたが、向こう3年間の予想増益率(年平均13%を予想)やROE(17%)、配当利回り(3.8%)を根拠に、BOCIは現在株価(2017年予想PER12倍)の値ごろ感を指摘している。◇米国事業の一段の効率化、◇川下に特化している中国事業の利益率改善、◇米中間の豚肉貿易の拡大、◇財務費用の軽減――などが、同社の利益成長エンジンとなる見通しという。

万洲国際は垂直統合型の生産体制を持つ豚肉生産の世界最大手で、主要ビジネス地は中国と米国。世界最大の豚肉消費国である中国と、主要輸出国である米国の橋渡しをするという独自のビジネスモデルを持つ。BOCIは同社の17-19年の経常利益について、前年比13%、20%、7%の伸びを見込む(経常性EPSの予想伸び率は10%、19%、7%)。

まず米国では効率化と川上部門の業績改善が進む見込み。BOCIは経営資源の最適化とコスト削減を理由に、米国事業のEBIT(利払い・税引き前利益)が16-19年に年率平均8%の伸びを示すとみている。うち川上生産部門(生鮮豚、養豚)については、垂直統合化やヘッジの効率化を背景に、16-19年に年率2%の増益を予想。また、自律成長と買収の可能性を受けたパッケージ肉事業の利益貢献の拡大が、この先、米国事業の再評価につながる可能性を指摘している。

中国では業界トレンドと原材料調達費など投入価格の低減が追い風。BOCIは中国事業のEBITが、16-19年に年率平均7%増加すると予測している。同社が中国で主力とする川下ビジネスにとって、川上の養豚業況の下降サイクル入りがコスト削減につながることが理由。うち生鮮豚事業については、豚肉と家畜豚との価格差拡大を受けた利益率の回復と販売量の伸びを予想。同事業のEBITが16-19年に年率29%増加する見通しを示した。また、パッケージ肉事業も新製品投入効果や利幅改善を受け、17年4-6月期からプラス成長を回復するとみている。

一方、2月に実施した債務再編が今後の財務費用の低減につながる見込み。BOCIは17年、18年にそれぞれ3100万米ドル、7200万米ドルのコスト削減を見込む。また、17-19年にはフリーキャッシュフローが15億-17億米ドルに上り、19年には収支がプラスに転じるとの見方。流動性の改善により、企業買収の可能性も高まるとしている。

BOCIはSOTP方式に基づいて目標株価を設定。株価の先行きに対して強気見通しを示した(目標株価は17年予想PERで14.7倍に当たる水準)。レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、食品の安全性に関わる問題が浮上するリスクや、中国で家畜豚価格が高騰する可能性、米国で飼料の穀物価格が高騰する可能性、米中豚肉貿易に問題が生じる可能性――などを挙げている。

 

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