週前半一服後、米国株式の最高値更新を受け、一気に2万2,500円台回復して引ける

先週の予測

先高感は強いが2万2,000円水準を上放れるかどうかは、米国株高と為替次第としました。 先週は決算発表の第一弾のピークを迎えるため、様子見が高まれば一服してもおかしくなく、柴田罫線でも2万2,000円水準が目先の上値のフシとなっているものの、米国株式の上昇が継続し、円安基調ならば、つれ高してそのまま上昇する可能性があるとしました。その場合は、1996年6月26日の2万2,750円が意識されてくることになるともしまいした。

結果

週前半の2日間は2万2,000円をはさんだもみあいとなりましたが、11月1日(水)は、前日の日銀金融政策決定会合で金融政策の現状維持と年間6兆円のETF買い入れ方針の継続を好感し、前日の米国株式もナスダックが最高値更新し、円が弱含んだことでさらに上方修正されたソニーをはじめとする好業績銘柄が買われたことで、+408円の2万2,420円と大幅反発し、21年4ヶ月ぶりの高値水準となりました。3連休前の2日(木)は、前日の米国市場でザラ場では3指標とも最高値を更新し、為替は10月ADP雇用統計が予想を上回ったことで114.28円までドルが買われたことを好感し、+92円の2万2,512円で寄り付き、買い一巡後は3連休前のポジション調整で売りに押されることもありましたが、大引けにかけて買い戻され+119円の2万2,539円で引けました。終値ベースで1996年6月以来の2万2,500円台のせとなり、1996年6月26日の2万2,750円が視野に入ってきました。
日本が連休中の米国市場は、2日(木)は、下院共和党が税制改革法案を発表したことや、FRB(米連邦準備制度理事会)次期議長人事が決まったことを好感し、NYダウは最高値更新となり、シカゴ日経先物は+50円の2万2,560円でした。3日(金)は、10月雇用統計は強弱マチマチの内容でしたが、アップルなどの半導体関連株が大幅高となり、株式3指標がそろって最高値更新し、シカゴ日経先物も+125円の2万2,605円で引けました。

 

今週は、トランプ大統領のアジア歴訪に注目し様子見へ

 今週は、先週末のシカゴ日経先物が2万2,605円で終わっており、とりあえず1996年6月26日の2万2,750円が目先の上値ポイントとなります。引き続き主要企業の決算が続き、好決算が続かないようだと様子見となって利益確定売りとなる可能性もあります。トランプ大統領が日本を手始めにアジア歴訪をしますが、この間に北朝鮮の動きがあれば地政学的リスクが生じることになり、また、日米首脳会談で米国第一主義の観点から貿易不均衡の是正を求めることになれば、これまで楽観的だった投資家心理を冷やすことになります。 10日(金)~11日(土)には、ベトナムでAPEC(アジア太平洋協力会議)が開催され、米国を除く11ヶ国によるTPP(環太平洋連携協議)交渉を巡る議論が注目されます。今週は2万2,750円を前にもみあいが想定されます。
 6日(月)は、先週末の米国株高からのシカゴ日経先物の終値2万2,605円を上回る+73円の2万2,612円で寄り付き、円安を受けて一時+101円の2万2,644円まで上昇し、その後、利益確定売りに転じ▲103円2万2,435円まで下落しました。しかし、売り一巡後は持ち直し再度プラス圏となって+9円の2万2,548円で引けました。

 

(指標)日経平均

先週の予測

米国株高・円安が継続すれば次の上値目標は1996年6月26日の2万2,750円になるが、その前に2万2,000円水準が目先のフシであり、一気に抜けるかどうかポイントになるとしました。

結果

週前半は2万2,000円水準でもみあうものの、前日の米国株式とナスダックが最高値更新をなり、円が弱含むと昨日の日銀金融政策決定会合で金融政策の現状維持と年間6兆円のETF買い入れ方針を継続すると発表されたことで、+408円の2万2,420円と2万2,000円を一気に上に抜けました。3連休前の11月2日(木)も+119円の2万2,539円と続伸し2万2,750円が視野に入ってきました。

今週の予測

日本が3連休の間に米国株式は3指標とも最高値更新を続ける動きとなってシカゴの日経先物は2万2,605円で引けていることで相場環境に変化がなければ1996年6月26日の高値2万2,750円を試す動きとなりそうです。但し、それをサポートするのはトランプ大統領のアジア歴訪に伴う日米首脳会談が焦点となりそうです。特に貿易不均衡の是正が要求されると相場は下落することになります。

 

(指標)NYダウ

先週の予測

 前週18年度予算案が上・下両院で可決したことで次は税制改革の実施に向けた議会の動向が注目になるとし、実施の方向が高まれば株価はさらに上昇するとしました。

結果

 下院が作成した税制改革案が公表され法人税率の引き下げや所得税率の簡素化が盛り込まれたことや、決算発表が概ね好調なことから株式市場は上昇が継続し、11月3日(金)は3指標とも最高値更新となり、NYダウは+22ドルの2万3,539ドルと2万3,500ドル台のせとなりました。

今週の予測

 上院の税制改革案の発表が注目されます。税制改革法案は年内成立を目指しており、スムーズにいかないようだと株式市場にはマイナス要因となります。また、トランプ大統領は4日から10日間アジア歴訪ですので、その間に北朝鮮の挑発があれば地政学的リスクが高まります。10月雇用統計の結果(失業率の低下)を受け、12月利上げはほぼ確実視されており、株価の動きは税制改革の年内成立にかかっています。

 

(指標)ドル/円

先週の予測

10月31日~11月1日のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録公開や週末の10月雇用統計を受けて12月利上げ観測が高まるのかどうか注目としました。また、FRBの次期議長にタカ派のテイラー氏かハト派のパウエル氏かのどちらが指名されるのかも注目となるとしました。

結果

 共和党下院の税制改革案を受け、財政悪化懸念から一時ドル売りとなりましたが、トランプ大統領が年内の税制改革実施を再確認したことでドル売りは一服しました。ハト派のパウエル氏が議長に指名されましたが、ドル相場には影響はありませんでした。
週末の10月雇用統計発表では非農業部門雇用者数が予想を下回ったことで113.64円までドルが売られましたが、10月ISM非製造業景況指数は予想を上回り、114.43円までドルが買われ114.07円で引けました。


今週の予測

 税制改革関連法案の審議の行方が注目となります。今月下旬の感謝祭までに下院の税制改革法案可決を目指しており、スムーズにいかないとドル売り要因となります。一方でFRB議長に指名されたパウエル氏は、イエレン前議長を支えた人物であり、ゆるやかな金利引き上げ方針を受け継ぐので中期的には日米金利差拡大からドルの先高感は後退しないと思われます。但し、目先は日米首脳会談で貿易不均衡是正の要求があればドル売り要因となります。113~115円のレンジを想定。