16年本決算で黒字に転換、石炭事業復調で17年も大幅増益達成へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01898 中国中煤能源 (チャイナ・コール・エナジー)  4.05 HKD
(03/24現在)
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中国中煤能源の2016年12月本決算の純利益は、中国会計基準(CAS)でBOCIの予想通りとなる一方、国際会計基準(IFRS)では予想を15%ほど上回った。主に石炭部門の利益が予想を上振れたことや、財務費用が予想より低水準に収まったことが背景。BOCIはIFRSに基づく17-18年の利益見通しを6-15%増額修正(CASについては3-8%増額修正)。長期収益見通しの改善を指摘し、同社H株の先行きに対して強気の見方を継続している。

IFRSに基づく16年通期の純利益は17億1500万元と、前年の32億6700万元の赤字から黒字転換を達成した。大幅な業績改善を支えたのは、主力の石炭生産事業の復調。石炭部門の粗利益率は前年の0.3%から14.4%に改善し、部門営業利益は40億7000万元と、前年の21億8500万元の赤字から劇的に回復した。自社生産分の石炭販売量は前年比17%減少したものの、実勢販売価格が前年比で19%高となる1トン当たり350元を記録。さらに1トン当たりコストが271.96元へ8.8%低減し、販売減によるマイナス影響を補って余りあるプラス効果を生んだ。16年にはまた、不採算資産を手放し、10億元の売却益を計上したことも、利益押し上げに寄与した。

続く17年通期について、BOCIは前年比約170%の大幅増益を見込んでいる。経営陣は17年の石炭生産量に関して前年並みを予想しているが、BOCIは実勢販売価格が前年比で23%上向くとの見方。現時点で試験操業段階にある2つの石炭化学プラントが下期に収益貢献を開始することも利益押し上げに寄与する見通しを示した。2つのプラントのうち、一つは中煤蒙大(China Coal Mengda)で、石炭由来オレフィンの年産能力が50万トン。もう一つは権益38.75%を持つ中天合創公司で、炭鉱2つの年産能力が計2500万トン、メタノール年産能力が360万トン(第1期)。このほか、16年中に不採算資産の処理を完了したことも、17年の業績回復を支える要因になり得るという。

同社はまた、新規の炭鉱3カ所(旧式施設との置き換え)をめぐって国家発展改革委員会から認可を取得し、現在、最終的なゴーサインを待っている段階。順調であれば、総年産力2900万トンに上る3炭鉱の一部が、18年にも操業を開始する可能性がある。

BOCIは17年年初からの動力炭価格相場が自社予想を上回っているとし、この先さらに利益見通しを上方修正する可能性に言及している。なお、18年に稼働を開始する予定の発電所(660MW✕2基)の貢献は、現在の予想純利益に反映されていない。

BOCIは17年予想PBR(株価純資産倍率)に基づいて同社H株の目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、石炭価格相場の急落と石炭化学プロジェクトの利益率が予想を下回る可能性を挙げている。

 

 

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