中国の金融緩和策の内容をざっくり整理

 では、実際に今週24日(火)に打ち出された、中国の金融緩和策の中身について整理していきたいと思います。

 短期金利や預金準備率の引き下げをはじめ、企業向けの優遇貸出金利の引き下げなど、金融市場に直接働きかけるものだけでなく、今回は、不動産市場支援策(住宅ローン金利の引き下げや、2軒目以降の住宅購入時に必要な頭金比率の引き下げ、在庫住宅を購入する際の支援拡大など)のほか、株式市場対策(証券会社および政府系ファンド、保険会社が資産担保を通じて人民銀行から流動性を獲得できるようにしたり、上場企業の自社株買いや大株主の保有拡大のための資金調達を支援するなど)も盛り込まれました。

<図4>中国の金融緩和策の主な内容

出所:各種報道を基に筆者作成

 上の図4を見ても分かるように、今回の金融緩和策は守備範囲が広く、そして政策の手数も多いのが特徴です。

 また、今回の金融緩和策は、人民銀行とCSRC(中国証券監督管理委員会)、NFRA(国家金融監督管理総局)の担当者がそろって記者会見を行うという、異例の形式で公表されたことや、金利と預金準備率を同時に引き下げるのも、いわゆる「チャイナ・ショック」時の2015年以来であることなど、中国当局の「本気度」がうかがえます。