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金相場は上昇。
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。
金相場は上昇。市場の不透明感の高まりから、安全資産としての金買いが促される状況にある模様。3月のISM製造業景気指数は57.2と前月の57.7からは低下したことや、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクで地下鉄爆破事件が発生したことなどが金買いを促したとみられる。
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金相場は上昇。市場の不透明感の高まりから、安全資産としての金買いが促される状況にある模様。3月のISM製造業景気指数は57.2と前月の57.7からは低下したことや、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクで地下鉄爆破事件が発生したことなどが金買いを促したとみられる。

また債券買いが進んだことで利回りが低下したことも、金利のつかない金の上昇につながっているようである。さらにトランプ大統領が対北朝鮮政策で中国の協力を得るため通商政策を利用する可能性に言及したことで、政治的な緊張感が高まったことも押し上げにつながった模様。

6・7日の米中首脳会談で、トランプ大統領が通商分野における保護主義の立場を主張するようであれば、これも市場の不安定さにつながる可能性があり、金買いが進む可能性があろう。さらに欧州の選挙や英国のEU離脱交渉、トランプ大統領の外交政策などリスク回避姿勢が強まりやすい材料も多いようである。

そのため、想定以上に堅調に推移する可能性もあろう。一方、トムソン・ロイターGFMSが公表した「ゴールド・サーベイ2017」によると、金市場は今年も供給過剰が続くものの、欧米の政治情勢が不安定なためリスク回避の買いが入り、価格は小幅上昇する見通しが示された。

GFMSは今年の金現物の平均価格が1,259ドルと、昨年の1,248ドルから上昇すると予想。インドの需要回復も価格上昇に寄与するとしている。GFMSによると、需給バランスは昨年952トンの供給過剰と、過去7年で最も過剰幅が大きくなった。今年は昨年よりは小幅ながらも供給過剰が続くとしている。

16年の需要は前年比18%減の3,559トンだったが、宝飾品消費が20%減少し、過去7年間の最低水準に落ち込んだことが主因としている。GFMSは、「欧州諸国のいずれかでEUに反対する勢力が勝てば、ユーロの命運に不透明感が広がりかねない。

一方でトランプ大統領による型破りの政策により投資が活発化するかもしれない。米国株に対する高値警戒感も広がっており、リスク回避姿勢が強まれば金は恩恵を受ける」とし、時を経るにつれて金にリスク回避的な資金が流入しやすくなるとの見方を示している。

非鉄相場は反落。アルミは1,950ドルを割り込み、銅も5,800ドルを割り込んだ。ニッケルは再び重要なサポートの9,800ドルを付けている。亜鉛も2,700ドル、鉛も2,260ドルと重要なサポートとみられる水準にまで下げている。

まさに踏ん張りどころの水準にまで下げており、この一両日中の動きがきわめて重要といえよう。中国の製造業購買担当者景況指数(PMI)の低下が売り材料視されたとの指摘があるが、それ以上にドル高や米国経済指標、ロシアでの爆発などが材料視されたといえるだろう。

原油は小幅下落。リビア主要油田での生産再開の報道が重石となった。リビア最大級のシャララ油田での生産が1週間の停止の後で再開された模様。リビア国営石油会社(NOC)はシャララ原油の搬出に関する不可抗力条項の発動を解除したとされている。

リビアの生産状況に関する不透明感は原油相場の変動要因となっており、引き続き高いボラティリティをもたらす可能性があろう。また米国内の石油掘削リグ稼働数が増加傾向にあることも、引き続き重石になりやすいとみられる。

WTI原油は最近の戻りで買われすぎ感が強まっており、いったんは調整される可能性があろう。50ドル前後で踏みとどまり、日柄調整をこなすことができるかが、今後の動きに向けた重要なポイントになるだろう。

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