金相場は大幅高。トランプ政権による医療保険制度改革(オバマケア)の代替法案が撤回に追い込まれたことで、政権の政策運営能力と税制改革の実行力に対する疑問が浮上したことで、安全資産である金への関心が高まっているようである。

ドルは主要通貨に対して4カ月ぶりの低水準になるなど、ドル安も金相場を押し上げている模様。さらに株価と米長期金利が低下したことも背景にあるとみられる。

しかし、想定以上に強いというのが印象である。本来であれば過去の経験則より下落が想定された3月だが、下げは一時的な動きにとどまり、1,200ドルをサポートして反発していることから、かなり下値は堅調と考えてよいだろう。

今後はドル安に一定の調整が入る可能性があり、そのケースでは金相場は下押されることになろう。むしろ、押し目を買いたい投資家が少なくないと考えられるため、下値は限定的であろう。

FRBによる年内の利上げ回数は最大で3回と考えており、年内はあと2回がいいところであろう。投機筋は引き続き買いポジションを積み上げているようだが、積み上げ余地は大きいだろう。これも金相場を支えることになろう。

非鉄相場は軟調に推移。トランプ大統領が支持した医療保険制度改革(オバマケア)代替法案は撤回されたことで、今後に控える税制改革や経済対策などの先行きも楽観できないとの見方が台頭している模様。

非鉄はトランプ銘柄とも考えられ、株価が軟調になると上値が重くなりやすいようである。しかし、米政権の政策運営が景気に悪影響を与えるとは考えにくい。また、最終的には需給動向が重要であり、この点からすれば、非鉄相場は長期的な上昇基調が損なわれることはないだろう。

この日はアルミが下げ、銅も下落した。銅は長い下ヒゲを形成しており、5,800ドル台は堅いサポートになっている印象である。ニッケルも9,800ドルを割り込んだが戻しており、同様に長い下ヒゲを形成した。

ここで下げ止まれると、反発が期待できるだろう。亜鉛も2,730ドル、鉛も2,275ドルで下げ止まると戻りが期待できるだろう。

原油は反落。OPEC主導の協調減産が期限の6月末以降も延長されるかについて、市場は懐疑的であることが上値を抑えているようである。

OPEC加盟国などの産油国閣僚で構成する委員会は、協調減産の延長を検討することで合意したものの、事前の声明案で勧告された協調減産維持での合意には至らなかったようである。

また、米国内の石油掘削リグ稼働数と産油量の持続的な増加も下押し圧力になっている模様。原油相場は米国内の原油在庫の大幅増が重石になっているようである。

上昇を期待して買い込んだ投機筋のポジションはいまだに積みあがったままであり、なかなか解消されない。これが解消されることが、少なくとも反発には不可欠な要素であろう。

当面はこの米国の材料とOPECによる協調減産の延長の動向が中心的な関心事になろう。協調減産の延長については、ロシアは態度を明確にしていない。同国のノバク・エネルギー相は「判断は時期尚早」としている。

一方、5月末からの米国のガソリン需要期入りが原油相場の反転のきっかけになるかにも注目しておきたい。まだ2カ月あるが、原油相場は通常であればそろそろ反転上昇に向かう時期である。この点にも注目しておきたい。