金相場は上昇。トランプ大統領の政策実行力に疑問符が付いたことでドルが下落し、ドル建ての金相場の割安感が強まった模様。

トランプ大統領は医療保険制度改革(オバマケア)見直し法案の議会承認取り付けに苦慮しており、これが減税やインフラ投資などの主要な公約の実行への懸念につながっているとみられる。

これを受けてドル安と債券利回りの低下、株安が進んでおり、安全資産である金への関心が高まっているようである。3月は過去の経験則よりもともと上げにくい月とみていたが、外部要因が金相場を思いのほか押し上げているようである。

ただし、月末にかけて米国株が持ち直し、ドルも反発する可能性が高いとみられるため、金相場は再び下値を試すことになろう。ただし、4月は上昇しやすい傾向があるとみられる。

FOMCでの利上げペースの加速観測の後退や、欧州の政治リスクなどもあり、当面は下値の堅い展開が続くことになろう。長期的な上昇見通しも変わりようがないと考えている。今後のインフレヘッジとしても金は買っておくべき投資対象といえるだろう。

米国のインフレ率が上昇する一方、長期金利が伸び悩むようだと、実質金利が低下するため、金への投資が賢明との判断になろう。

一方、世界最大の金上場投資信託(ETF)であるSPDRゴールドトラストの保有高は、17日の834.10トンから24日には832.62トンに小幅減少。ただし、最近は、ETF保有高は大きく減少することはなくなっているようである。売りたい投資家は売り切ったという印象である。

COMEX金先物市場での大口投機筋のポジションは、3月21日時点で11万6,252枚の買い越しとなり、前週から1万0,214枚増加した。買いポジションが9,404枚増加する一方、売りポジションが810枚減少した。先週までの買いポジションの整理が止まり、一転して買いポジションの積み上げが進んでおり、投機筋の金買い意欲は衰えていないといえるだろう。

非鉄相場はおおむね軟調な展開。米医療保険制度改革(オバマケア)見直し法案の下院採決を控えて様子見ムードが強まる中、上値の重い地合いが続いた模様。

銅は小幅反落。在庫の増加に加え、インドネシアの鉱山の生産再開、チリの銅山のストが収束の方向に入ったことを受けて、需給逼迫懸念が和らいだ。鉛は小幅反落し、亜鉛も小幅安だった。

一方、ニッケルが大幅下落。ただし、辛うじて重要なサポートの9,800ドルで下げ止まっており、ここで止まるかに注目したい。アルミは小幅続伸。きわめて強い動きにある模様。

原油は小幅反発。ただし、原油供給過剰懸念を背景に上値は重い。OPECの減産が世界的な原油の供給過剰解消に効果を挙げていないとの見方が依然として多い。これが上値を抑えている。

サウジアラビアの当局者は、米国への3月の原油輸出が2月に比べて日量30万バレル程度減少し、2、3カ月はその水準が続くと指摘している。これは5億3,300万バレルと過去最高に達している米国内の原油在庫の削減に役立つとの見方がある。

OPECは減産を6月以降も延長するか、減産幅を拡大しない限り、現状では需給バランスの改善は見込みにくい状況になりつつあるようである。

一方、米国内の石油掘削リグ稼働数は前週比21基増の652基となった。1月20日までの週以来の大きな増加で、10週連続で増加した。回復基調は10カ月目に入り、稼働数は16年5月の316基の2倍以上に増加した。前年同週は372基だった。

一方、21日時点のWTI原油先物での投機筋の買い越しは41万8,517枚で、前週から1万5,283枚減少した。買いが2万7,997枚減少したが、売りも1万2,714枚減少した。買い方が損切りの手仕舞い売りを出す一方、売り方も下落で買戻しを行い、利益確定をしたと考えられる。

しかし、まだ買い越し幅が大きいといわざるを得ない。35万枚からできれば30万枚ぐらいまで調整しないと、上昇に転じるのは難しいだろう。ただし、50ドル割れはどの生産者にとっても厳しいことに変わりないとみられる。いずれ50ドルを超え、60ドル前後に収斂することになろう。