金相場は続伸。2週間ぶりの高値まで上昇してきた。G20財務相・中央銀行総裁会議における米政権の保護主義的なスタンスを受けたドル安が背景にあるとみられる。

また、FRB関係者の発言で米金利が低下していることも、金相場にはポジティブに作用している模様。FRBは利上げに積極的ではないことが浮き彫りになりつつあるようで、年3回の引き上げであれば金相場には大きな影響はないだろう。

一方で英国のEU離脱やフランス大統領選の不透明感もあり、金は安全資産として買われやすい地合いが続く可能性がある。一方、コミー米連邦捜査局(FBI)長官がロシアの米大統領選挙介入で、トランプ陣営の関与を捜査していると発言したことも金相場にはポジティブに作用しているとの指摘がある。

重要イベントを通過したことで、これまで金相場を抑えてきた材料が一巡した。また、G20が長年の慣行となっている自由貿易支持を取り下げたことも、結果的に金相場にはポジティブな材料になっているようである。

さらに、投機筋はロングポジションの解消を進めてきたことも、買いやすさにつながっているとみられる。今月は従来から4月の上昇に向けた買い場のタイミングとしてきたが、いまのところ、この考えは正しかったといえそうである。

非鉄相場は高値圏を維持。銅は少し下げているが、短期的な戻りの調整である模様。6,000ドル目前まで上げたことで、利益確定売りも出ているのだろう。ニッケル、亜鉛、鉛も同様であろう。

最近の在庫の増加や中国需要の先行き懸念から、目先は上値が重くなりやすいとみられる。一方、亜鉛は中国の精錬業者のメンテナンス入りで供給減少が見込まれている模様。世界経済は不透明感があるとの指摘も多いが、製造業PMIは多くの国で上向いている。

政治的な不透明感は確かにあるが、世界経済の成長期待や需給改善から非鉄相場の下値は限定的であり、長期的には上向くことになろう。

一方、国際銅研究会(ICSG)が公表した最新の月報では、16年12月の世界銅市場は1万7,000トンの供給過剰だった。11月は3,000トンの供給不足だった。16年は5万5,000トンの供給不足。前年は16万4,000トンの供給不足だった。12月の世界銅生産は203万トン、消費量は201万トンだった。また12月の中国の銅保税在庫は4,000トンの供給過剰で、11月は1万8,000トンの供給不足だった。

原油は反落。OPECが減産の延長に前向きとの報道がみられたが、米国の原油生産量の拡大と高水準の在庫が重石となったようである。複数のOPEC筋によると、OPECは上半期末に減産合意の期限を迎えるが、延長することを検討している模様。

一方で、これまでの上値の重さを背景に、投機筋はロングポジションの削減を進めていると考えられ、これが上値を抑えている可能性がある。現状では、やはり米国内の産油量の増加が懸念材料であろう。

OPECの減産を台無しにする政策だが、これが原油価格の上値を抑え、結果的に米国にもよくない状況をもたらすはずである。米国内の石油掘削リグ稼働数は前週比14期増の631基で、15年9月以来の高水準となっている。

このような状況が続けば、OPEC加盟国は5月25日にウィーンで開催する会合で減産延長を決定する可能性がある。

一方、共同石油統計イニシアチブ(JODI)が公表したサウジアラビアの1月の原油輸出量は日量771万3,000バレルで、前月の801万4,000バレルから約30万バレル減少した。1月の産油量は日量974万8,000バレルで、OPECの減産目標に沿った水準である。前月は1,046万5,000バレルだった。