金相場はほぼ変わらず。FOMCを前に動きづらい状況にある模様。FOMCでは利上げが確定的であり、市場の関心は利上げ回数に向かっているようである。

昨年12月に3回とされた今年の利上げ回数が4回に引き上げられると、一時的にドルが押し上げられ、金相場を圧迫する可能性がある。ただし、これが織り込まれれば、ドルの上値が重くなり、金相場は底打ちから本格的な上昇に転じることになろう。

一方、根強い欧州の政治リスクが下値を支えることも想定される。米国の利上げは金利の付かない資産である金保有のコストを高めるため、金相場には圧迫要因になるが、利上げ時に金は想定以上に底堅く推移しているという過去の事実もある。

したがって、利上げが金相場を押し下げるといった単純なものではないだろう。実質金利の低下からみれば、金相場の理論値は1,400ドル台である。今後、インフレ率が高まるようであれば、むしろ金相場の割安感が強まることになろう。

非鉄相場はまちまち。アルミが下げたが、銅は反発し、5,800ドル台を回復した。ニッケルや亜鉛、鉛は底値固めの動きにある模様。FOMCを前に動きづらい面があるが、これを通過してドルの上値が重くなれば、再び買いが戻ってくるだろう。

世界最大の非鉄消費国である中国の1~2月の小売売上高は前年同期比9.5%増となり、伸び率は16年全体の10.4%を下回った。小売売上高の伸びが1桁台にとどまるのは異例の事態である。自動車販売が1.0%減と、小型乗用車の減税幅縮小が響いた模様。

また同期間の鉱工業生産は6.3%増に加速している。都市部固定資産投資は不動産開発が伸びたことを受けて8.9%増と、伸び率は16年全体の8.1%を上回った。さらに不動産開発向け投資は前年同期比8.9%増に急加速。16年通年は6.9%増だった。

中国政府は住宅バブル抑制に取り組んでいるが、一部では沈静化の兆候も出始めている。しかし、全国レベルでは過熱が続いているとみられている。共産党指導部は秋の共産党大会に向けて経済の安定を図る方針だが、追加景気対策を検討する可能性も指摘されている。

原油は7日続落。サウジアラビアの増産報告などが嫌気された。OPECが発表した月報によると、2月のOPEC産油量はサウジアラビアの積極的な減産が寄与し、前月比13万9,500バレル減の日量3,195万8,000バレルと、1月に続いて生産枠上限の3,250万バレルを下回った。

しかし、自己申告ベースではサウジの2月の産油量が前月比26万3,300バレル増の日量1,001万1,000バレルと拡大していた。これを受けて原油相場はマイナス圏に沈んだ模様。また1月の先進諸国の原油在庫が拡大したことも圧迫要因となった。一方、引け後に米石油協会(API)が公表した10日までの週の米国内の原油在庫は前週比53万1,000バレル減だった。

OPEC加盟国の産油量だが、サウジは2次情報ベースでは979万7,000バレルと減産を進め、生産枠の1,005万8,000バレルを下回った。アンゴラも164万1,000バレルと、生産枠上限の167万3,000バレルを下回った。

現時点で国別上限を下回っているのは両国のみである。一方、減産合意に最後まで抵抗したイランは限定的な増産を認められた結果、381万4,000バレルとなり、上限の379万7,000バレルをやや超過した。

イラクは441万4,000バレルと減産を進めたが、上限の435万1,000バレルを超えている。またUAEも292万5,000バレルに産油量を減らしたが、上限の287万4,000バレルを依然として上回っている。

さらにアルジェリアが105万3,000バレル(生産枠上限103万9,000バレル)、エクアドルが52万6,000バレル(同52万2,000バレル)、ガボンが19万4,000バレル(同19万3,000バレル)、クウェートが270万9,000バレル(同270万7,000バレル)、カタールが62万2,000バレル(同61万8,000バレル)と、誤差の範囲ではあるが上限を超えている。

特例的に減産を免除されたナイジェリアは160万8,000バレルと産油量が増加した。さらに内戦の影響に配慮して減産を免除されたリビアは66万9,000バレルに減少している。

一方、先進国の原油・石油関連製品の在庫は、1月は5年平均を2億7,800万バレル上回る水準だったとしている。上回った分のうち、2億0,900万バレルが原油、残りが精製製品だった。

OPECは、供給の調整にもかかわらず、在庫は米国だけでなく欧州でも増加し続けたとしている。その一方で、減産が原油価格の下支えとなっているとの認識も示している。

サウジ以外の加盟国にはさらなる減産がもとめられるが、3月以降にそのような状況になっているかをまずは確認することになるだろう。また、7月以降の減産継続の議論についても注目しておきたい。

いずれにしても、50ドル割れでは産油国は厳しい状況にあることに変わりない。高値安定を狙う意味でも減産履行と継続は不可欠であり、いずれ履行されることになり、原油相場は徐々に水準を取り戻すことになろう。