金相場は続落。約5週間ぶりの安値を付けた。米利上げ観測を背景にドル高となったことが圧迫要因になっている。2月の米ADP民間雇用者数が大幅に増加したことで、FRBが来週にも利上げするとの見方が一段と強まったことが背景にあると見られる。

ADPが発表した2月の全米民間部門雇用者数は29万8,000人増で、市場予想の19万人増を大きく上回った。これを受けて、10日発表の2月の米雇用統計も強い内容となり、14・15日開催のFOMCでの利上げが確実になったとの認識が広がっているようである。

しかし、市場はこれらをほぼ織り込んだ格好となっており、ドルの上値は限定的であるとみられる。利上げ織り込みが金市場にも波及すれば、下値は限られるだろう。1,200ドルがきわめて重要なサポートになっており、ここで下げ止まると反発しやすいだろう。

3月はもともと下げやすい傾向があり、ここで底値を確認して4月に反発するのが例年のパターンとみており、そのような動きになるか、注目しておきたい。長期的な見通しは全く変わらない。押し目をいかに利用できるかがポイントであろう。

非鉄相場はまちまち。強い米雇用指標を受けてドルが上昇したことは重石だったが、その割に下げ幅は小さい模様。アルミは1,870ドル台を維持しているが、最大で1,820ドル程度までの下げはあり得るだろう。

銅は重要なサポートの5,800ドルを割り込んだが、中国の2月の銅輸入が前年同月比19%減の34万トンだったことが嫌気された。春節休暇により需要が低下したとみられている。前月比では10.5%減だった。また1月と合わせた2カ月間でも72万トンと15.8%減であり、需要の減退懸念が台頭しているようである。

今月の重要なポイントは5,650ドルである。ここまでの下げは許容範囲であるとみている。ニッケルの下げが大きくなっており、懸念される動きである。重要なサポートだった10,500ドルを割り込んでおり、どこで下げ止まるかをまずは確認することになろう。9,760ドルあたりがターゲットになりそうである。一方で亜鉛と鉛は下げ渋っている。

原油は5%超の急落。米国の原油在庫が予想以上に増加し、過去最高に達したことが嫌気された。米エネルギー情報局(EIA)の統計によると、原油在庫は前週比820万バレル増と、増加幅は予想の4倍以上となった。しかし、この日の急落の背景は、投機筋が過去最高水準で保有する買いポジションの解消であろう。そうでなければ、このような急落は起きないだろう。ポジションによる値動きと現物市場の実態が一時的にかい離することはよくあることである。

市場は、OPEC加盟・非加盟国による減産効果をまだ全くと言ってよいほど織り込んでいないとみられる。売り遅れている投機筋の投げで48ドル台後半まで調整する可能性はあるものの、50ドル以下で継続的に生産できる生産者はほとんどないとみられる。投機筋の投げが完了すれば、自然に戻すだろう。

一方、ガソリン在庫は660万バレル減、ディスティレート在庫も270万バレル減と大幅に減少している。一方で米国内の原油生産量が増えているのは気になる。日量908万バレルとなり、前週比5万バレル増となっている。原油価格の上昇で安易に増産している向きがあるのだろう。

しかし、このような愚行を再び繰り返せば、原油相場の回復が遅れ、石油業界全体が再び共倒れリスクにさらされることになるだろう。EIAは17年の米国内の原油生産見通しを前年比33万バレル増の日量921万バレルに上方修正している。前月時点では10万バレル上回ると予想していた。

また18年は前年比52万バレル増の日量973万バレルと、前月時点の予想の55万バレル増から下方修正した。原油需要の増加幅については、17年は日量21万バレルと前月予想の26万バレルから下方修正し、18年は33万バレルから38万バレルに上方修正している。