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金相場は小幅安。
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。
金相場は小幅安。米国で今月に利上げがあるとの観測が拡大していることで売りが出ている模様。イエレンFRB議長が講演で、「今月の金融政策会合で雇用と物価が想定通りと確認されれば、政策金利の一段の調整が適切になる」とし、利上げに前向きな姿勢を示した。
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金相場は小幅安。米国で今月に利上げがあるとの観測が拡大していることで売りが出ている模様。イエレンFRB議長が講演で、「今月の金融政策会合で雇用と物価が想定通りと確認されれば、政策金利の一段の調整が適切になる」とし、利上げに前向きな姿勢を示した。

さらにフィッシャーFRB副議長も、月内利上げに前向きな発言をしている他の高官らと同じ考えであることを明らかにした。これを受けて、14・15日開催のFOMCで利上げが決定されるとの観測が一段と強まったことから、金利が付かない金に売りが出ているようである。

市場が織り込む今月の利上げの確率は80%に達しており、利上げはほぼ確定的とみられている。この織り込みが進む過程で金は上値が重くなるとみられるが、ドルの上値が先に重くなることも考えられる。ドル動きを見れば、金相場の方向も見えてくるだろう。ドルは今後、上値が重くなるとみており、金相場の下値は限定的であろう。

世界最大の金上場投資信託(ETF)であるSPDRゴールドトラストの保有高は、先週末の841.17トンから3月2日には845.32トンに小幅増加。しかし、週末の3日には840.58トンに再び減少した。

COMEX金先物市場での大口投機筋のポジションは、2月28日時点で16万3,798枚の買い越しとなり、前週から4万0,035枚増加。買いポジションが2万7,821枚増加する一方、売りポジションが1万2,214枚減少した。先週以上に投機筋は買い意欲を強めているが、昨年半ばに金価格が高値を付けた際には、買い越し幅が30万枚を超えていた。そう考えると、現在の買い越し幅の水準は決して高いとは言えず、買いポジションの積み上がりが目先の下落につながる可能性は低いだろう。

目先のことだけを考えると金相場は下げやすいと考えるのが普通だろうが、長期的に考えればこれらの材料はまさに枝葉末節でしかないだろう。長期的なドル安傾向を念頭に入れておくことが肝要である。

非鉄相場はまちまち。このところ調整の動きが続いているが、それでも下値は限定的であり、大崩れしていない模様。ドル安に向かう中で株価も堅調に推移すれば、非鉄相場は高値を維持しながら上値を追う展開になるだろう。

一方、世界最大の非鉄消費国である中国では、第12期全国人民代表大会(全人代)第5回会議が開幕。李克強首相は政府活動報告で、17年のGDP成長率は6.5%前後を目指すとし、前年の6.5~7%から引き下げた。改革を推進して債務問題や金融リスクの抑制に取り組む方針のようである。

中国指導部は、貸し出し増加や政府支出の拡大を受けて債務の増加や住宅市場過熱への懸念を強めている。一方、17年のマネーサプライ(M2)の伸び率の目標は12%前後とし、前年の約13%から引き下げた。また財政赤字の目標はGDP比3%に据え置いた。CPI上昇率目標も3%前後に維持した。

李首相は、「引き続き積極的な財政政策を実施し、穏健な金融政策を維持する」としたうえで、「供給側の改革を推し進め、リスクを管理し金融セクターの安全を確保する措置を講じていく」としている。景気拡大とリスク管理・バブル阻止を同時に行わなければならないことから、中国政府は極めて難しいかじ取りを迫られているようである。

結果的に金融は徐々に引き締められる可能性が高いが、これが景気抑制につながるかをよく見ておく必要があろう。

原油は反発。ドル安が買いを促したが、産油国間の減産合意において、ロシアの履行が遅れていることが嫌気されている模様。ロシア・エネルギー省によると、2月の産油量は前月から横ばいの日量1,111万バレルで、減産幅は16年10月の水準から日量10万バレルに過ぎない。

これは、減産合意におけるロシア割り当ての3分の1にとどまる。ロシアは段階的に減産を進めるとしており、その効果が出るのはもう少し先になりそうである。

一方、米国内の石油掘削リグ稼働数は前週比7基増の609基と、15年10月以来の高水準となった。前年同期は392基だった。増加は7週連続で、10カ月にわたって回復基調が続いている。原油相場の回復を背景に投資が増加しているといえる。

今後も原油価格の上昇が続けば、米国内のシェールオイル生産各社が今後数年の掘削予算を増やし、シェールオイル・ガスの増産を図るとみられている。しかし、生産量を増やせば、原油相場は上値を打たれることになろう。

結果的に、ある程度の高値になるまでは減産体制を維持せざるを得ず、これが結果的に高値を誘発することになるだろう。また、長期的にはドル安が原油価格を押し上げることになるだろう。

NYMEX原油先物市場における投機筋のポジションは、2月28日時点で52万5,254枚の買い越しとなり、前週比3万1,353枚減少。高値での調整が入ったといえる。3月に入ってからの調整で、買いポジションの解消はさらに進んでいるものと思われるが、これでさらに上昇しやすくなるだろう。

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