金相場は上昇。3カ月半ぶりの高値を付けた。ムニューシン米財務長官の発言で、ドルを押し上げる展開に変化が出始めており、ドルが1週間ぶりの安値に下落したことが買いを誘っている模様。

ムニューシン氏は、「トランプ政権の政策は、今年においては限定的な影響しかない」と発言する一方、8月までの税制改革実施に意欲を示しているようである。この発言を受けて、同氏が最優先項目と位置付ける抜本的な税制改革に依然として多くの作業が必要であることが示された格好である。

一方、投資家は税制改革について、今年の成長とインフレの材料になると見ているとみられ、これが金相場を支えているとの見方もできよう。金相場は16 年11月10日以来、約3カ月半ぶりの高値を更新しており、目先のレジスタンスを超えた格好になっている。

欧米の政治リスクもあり、米国債への資金流入が進んだことで、長期金利が低下する中、ドルが下落していることが金価格を押し上げていると考えられる。米国株は、ダウ平均株価が11日連続で過去最高値を更新するなど、歴史的な上昇局面にあるが、一方で金が買われる動きが続いている模様。これは、投資家の不安心理が払しょくできていないことを示していると言えよう。

またムニューシン財務長官は、「強いドルが望ましい」と発言する一方、「ドル高は一定の問題がある」と発言しており、眼前のドル高基調が米国経済にとって良くないとの認識を示したことも、金市場にはポジティブに作用しているようである。FRBの利上げ確率が上がってこないことも、金相場にはポジティブ要因であろう。

COMEX金先物市場での大口投機筋のポジションは、2月21日時点で12万3,763枚の買い越しとなり、前週から1万4,011枚増加。買いポジションが7,414枚増加する一方、売りポジションは6,597枚減少した。

投機筋は再び買い意欲を強めているが、昨年半ばに金価格が高値を付けた際には、買い越し幅が30万枚を超えていたことを考慮すれば、現在の買い越し幅の水準は決して高いとは言えないだろう。まだまだ金には上昇余地・買い余地があると考えられる。

非鉄相場は大幅反発した。銅は中国の不動産税導入への警戒感から下げていたが、ドル安やチリの鉱山のストライキへの懸念が相場を支えた模様。目先は下値を付けた可能性があろう。アルミは重要なサポートの1,860ドルを維持し、銅も5,800ドルを割り込まなかった。今後もこれらの水準が意識されるだろう。

ニッケルは極めて重要だった10,500ドルを維持して急反発しており、地合いの強さを確認したといえよう。亜鉛も2,750ドル割れを回避している。鉛は依然として上値が重いものの、2,260ドルを明確に上抜けると、最近の調整基調が完了したと判断できるだろう。28日のトランプ演説で上昇相場が再加速するかに注目しておきたい。

原油は反落。OPECが減産順守率の引き上げを表明しているものの、米国の供給増加懸念が圧迫要因になっているようである。米国内の石油掘削リグ稼働数は6週連続で増加し、602基となった。

これは15年10月以来の高水準であり、前年同週は400基だったことから、今後の稼働数の拡大が懸念されるとの声もあるが、過去のピークは1,609基である。懸念には値しないだろう。

リグ稼働数の回復基調は9カ月目を迎えているが、これは原油価格が回復した場合に、すぐに原油生産を開始できるようにするためだとみられる。しかし、50ドル程度では誰も収益を確保できないだろう。生産量の増加は市場が考えているほど簡単ではないだろう。

一方、OPEC加盟・非加盟国の減産順守率は86%に達している。この状況が半年間続けば、世界の石油需給は自然に改善するだろう。その結果、原油価格は自然と上昇に向かうだろう。将来の需給改善は市場に織り込まれていないと考えている。