金相場は反落した。堅調な米国経済指標や米長期金利の上昇、ドル高が上値を抑えた模様。米週間失業保険申請件数が減少したことがドルと米国債利回りを押し上げたとみられる。

トランプ大統領が米航空大手の経営トップらとの会談で、税制や航空インフラに関連し、「2~3週間以内に驚くべき発表をする」と発言したことで株式の買いの勢いが加速。これを受けて債券が売られ、金利が上昇してドルが買われているようである。

またトランプ氏は、航空インフラへの投資や高速鉄道の整備にも意欲を示しており、これらの景気刺激策が成長の加速につながるとの期待が高まっている模様。こうなると、安全資産である国債や金から資金が流出し、リスク資産である株式に資金が向かうことになると考えられる。この動きがさらに続けば、再び金利上昇の勢いが増し、金の上値は重くなるだろう。

一方、今年のFOMCで投票権を持つシカゴ地区連銀のエバンズ総裁は、「トランプ政権が示している財政政策の方向性は経済にプラスとなり、年内に3回の利上げが実施されるとの見通しは妥当となる」との考えを示す一方、トランプ政権の財政政策について「先行き不透明感は出ているが、景気刺激に関しては特定の方向性が示されており、その方向は上向きである」としたことも、金利上昇と金売りにつながったといえよう。

一方、欧州の政治リスクの高まりによる安全資産への逃避が金買いを促す可能性がある。特にユーロ安が進むと、ユーロ建て金価格が上昇することになり、これを狙った欧州勢の買いが金相場を支える可能性がある。世界最大の金上場投資信託(ETF)であるSPDRゴールド・トラストの金保有高が連日増加していることも、金相場を支えているといえる。いずれにしても、株高と金高が共存する動きがしばらく続く可能性もある。

非鉄相場は総じて軟調。最近の反発の反動的な動きだったようである。またドル高が上値を抑えた面があろう。銅はチリの世界最大の鉱山の労働者がストライキに突入したことで供給懸念が強まったが、利食い売りに押されている模様。

ニッケルも節目の10,500ドルを超えられずに下げている。アルミは堅調だが、鉛・亜鉛は軟調だった。ただし、いずれも上昇基調は変わっていないとみられる。長期的な堅調地合いに変化はないとみられ、目先の上下動に振り回されないことが肝要であろう。

原油は続伸。米国のガソリン在庫減少を背景とした需要増への期待がこの日も買いを誘ったようである。しかし、現状の市場はこう着状態である。米ガソリン在庫の減少はサプライズだったが、この時期に材料視するものではないだろう。

むしろ、OPECの減産と高水準にある米国内の原油在庫の調整が進むのかがポイントである。OPECの減産順守が85~90%程度になれば、半年間でかなりの需給調整が進むことになろう。市場はまだこの点を全く織り込んでいない。

数カ月後に世界的な石油在庫の調整が進んでいたことが確認されれば、その時点で市場センチメントは大きく好転するだろう。ただし、目先はドル高基調にあるため、やや上値が重くなりやすいだろう。