金相場は3カ月ぶり高値から下落した。ドイツ鉱工業生産指数の低下やフランス大統領選を控えた警戒感を背景にユーロが下落しており、これが重石となっている模様。ただし、安全資産としての魅力は低下しておらず、これが下値を支えているようである。

トランプ米大統領によるイスラム圏7カ国の国民の一時入国禁止措置をめぐる論争が市場に不透明感を与えている模様。トランプ大統領の政策への不安感があるものの、株価は堅調に推移し、ドルも買われているが、金相場は崩れていないようである。

欧州の材料も金には強弱両方の材料になるため、金は売りづらい状況にあるといえる。金が持つ特性が相場を支えることになりそうである。フランス大統領選を控えて、勢いを増しているEU懐疑派の極右政党・国民戦線(FN)のルペン氏に対する市場関係者の警戒感や、ギリシャへの融資問題も金相場を支えることになりそうである。

金相場は欧州債務危機が佳境となっていた2011年9月に史上最高値を付けている。ギリシャ問題の再燃は金相場の上昇を想起させるだろう。

非鉄相場は上値の重い展開。全般的に直近の戻り高値を付けた感がある。銅は節目の6,000ドルをなかなか超えられないが、チリの鉱山で労働者がストライキの構えをみせていることが引き続き供給懸念を想起させており、下値は堅いと見られる。

その他の銘柄も上値が重くなっているが、最近の反発に対する一時的な調整と考えられる。ただし、短期的にドルが買われるようだと、上値が重い状況が続く可能性はある。それでも、長期的な調整はすでに完了していると考えると、下値リスクも限定的であろう。

原油は続落。OPEC加盟・非加盟国の減産に対する不透明感や米国のシェールオイルの生産復活への不安感が上値を抑えているようである。また米国内のガソリン在庫が昨年2月に記録した過去最高まであと200万バレルとなっていることも、石油相場全体の重石になっているとみられる。

いまはガソリン需要が弱い時期だが、その結果、ガソリン在庫の増加ペースが速まり、これを材料に相場が圧迫される可能性を指摘する声もある。しかし、OPEC加盟・非加盟国による減産は履行されるだろう。また米国内の原油生産量は増えていない。

また、米国内の石油掘削稼働リグの稼働数はピークの3分の一でしかない。これらの点を市場はまだ理解できていないようである。市場には学習能力がないようである。50ドル以下では米国内での石油生産は不可能であると考えられることを理解すれば、現状の原油価格に上値余地があることが理解できるだろう。