金相場は堅調に推移。1月の米雇用統計で賃金が低い伸びにとどまり、目先の利上げの可能性が低下したことでドルが売られており、これが材料視されている模様。

ダウ平均が2万ドルを回復し、ナスダック指数が過去最高値を更新しているものの、金買いの動きは根強いようである。1月の米雇用統計では、非農業部門就業者数が前月比22万7,000人増と、市場予想の17万5,000人増を大幅に上回った。

しかし、平均時給の伸びが前年同月比2.8%増から2.5%増に鈍化し、賃金インフレの低迷の可能性が明らかになったことから、FRBは利上げを急ぐ必要はないとの観測が浮上しているようである。

このため、市場ではドル売り圧力が強まっており、これが中期的な金相場の上昇を支える可能性が高まっている模様。金ETFからの資金流出は止まり、むしろ増加し始めている点も、投資家の金への興味が回復しつつあることを示しているといえよう。

ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、16年の世界金需要は前年比2%増の4,309トンと、13年以来の高水準になった模様。宝飾品、金貨、延べ棒の現物需要は、価格上昇と輸入規制等を背景に9%減少したとしている。中国とインドで需要が減少したほか、中央銀行の購入量も3分の1減少した。

一方で金を裏付けとするETF投資は急増している。WGCは、ETFへの資金流入増加の背景として、マイナス金利の拡大、米金利引き上げ臆測の後退、地政学的リスクによる不透明感を挙げている。

ETFへの資金流入は、16年第1四半期に欧米を中心に増加し、四半期ベースでは最も多い342.3トンに達した。しかし、それ以降は減少し、第4四半期は193.1トンの流出だった。また金貨と延べ棒への投資は2%減、宝飾品需要は15%減だった。インドの需要は21%減の675.5トンで、09年以来の低水準。WGCはインドの今年の需要を650~750トンと予想している。

また最大の金消費国である中国の需要は7%減の913.6トンで、12年以来の低水準だった。今年は950~1,000トンに改善すると予想している。また中銀の需要は383.6トンと、10年以来の低水準だった。

非鉄相場は総じて急落。アルミは上昇したが、これまで上昇していた銅や鉛・亜鉛が大きく下落した。中国の春節(旧正月)の連休が終わり、休暇明けは売りが優勢となった模様。上海では銅在庫の積み上がりが続き、約8カ月ぶりの高水準に達していることが嫌気されているようである。

また鉄鋼や鉄鉱石価格の弱さも重石になったとの指摘がある。さらに中国人民銀行の短期金利の引き上げも嫌気された可能性がある。一方でドル安傾向が強まっており、これが非鉄相場を支えるものと思われる。全般的に非鉄市場は安定しており、すでに長期的な底値も確認していると見ている。当面は上下動するだろうが、基本的な長期上昇シナリオが崩れることはないだろう。

原油は反発。イランが行った中距離弾道ミサイル発射実験の対抗措置で、米国がイランの個人と企業に対する制裁を発表したことが地政学的リスクの高まりにつながり、買いを誘った模様。また米雇用統計が強い内容だったことも支援材料だったと見られる。

CFTCによると、投機筋のNYMEX・ICE両市場での原油先物・オプションの買い越し幅は1月31日までの週で前週比1万6,826枚増の41万2,380枚となっている。14年6月の39万8,746枚を上回り、過去最高となった。原油相場は10週連続で上昇しており、OPEC加盟・非加盟国による減産合意で供給過剰が緩和するとの見方が根強いことがうかがえる。

米国内の石油掘削リグ稼働数は前週比17基増加したが、生産量は増えていない。繰り返すように、現状の原油価格の水準では、米国の石油会社は収益が出ない。55ドル以上、できれば60ドル前後の水準が長期的に続くことが確認できない限り、積極的な増産はできないだろう。