金相場は反落。トランプ米新政権が環太平洋連携協定(TPP)からの離脱など最初の政策を打ち出したことをきっかけに、米国株とドルが上昇したことから、金相場は2カ月ぶりの高値から反落した。1,220ドルを超えられなかったことから、目先は調整が進むかを見極めることになろう。

ただし、押しても下値は限定的になる可能性がある。その背景には、トランプ政権が目論むドル安政策である。またトランプ政権の保護主義的な政策もあり、安全資産への逃避的な金買いは今後も続くだろう。

一方、世界銀行によると、貴金属相場は17年に弱い投資需要とドル高見通し、実質金利の上昇で7%下落するとしている。金相場は8%安と見込んでいる模様。いかにもありがちな見方だが、ドル相場の背景を理解していないようである。また実質金利は低下しており、金価格の割安感が際立っている。理論値は1,400ドルであり、下値は限定的であろう。

米国はトランプ政権の減税、公共投資政策の推進で景気回復となるとみられるが、財政悪化からドル安に向かうことになることも考えられる。金利の付かない資産である金の保有コストは、金利の上昇以上にインフレ率の上昇が上回り、結果的に低下するだろう。

また原油高によるインフレ期待から金が買われやすくなろう。またこの日はプラチナ・パラジウムが上昇している。この基調が続けば、貴金属への関心が高まり、さらに上値を試す可能性があろう。特に割安感が強いとみられるプラチナに興味が集まる可能性が高いだろう。

非鉄相場はさらに上値を追う展開。アルミが中国の業者の生産能力が縮小するとの観測から続伸し、一時1,883ドルまで上昇。銅も急伸した。ニッケルは上値が重いが、9,500ドルは維持している。

鉛・亜鉛も堅調であり、これらの銘柄は今後もけん引する可能性がある。銅が節目の6,000ドルを上抜けると、非鉄相場全体の地合いは一気に強気に向かうことになろう。

原油は反発。OPECなどの減産で世界的な需給の引き締まりが期待されている。ただし、米国の石油掘削リグ稼働数の増加が上値を抑えている模様。OPEC加盟・非加盟国は1月1日から減産を開始し、合意した日量180万バレルのうち、150万バレルの削減を既に実現したとしている。

そのため、今後は需給緩和傾向が大きく改善することになり、これが原油相場を押し上げるものと考えられる。

一方、米石油協会(API)が発表した20日までの週の米国内の原油在庫は前週比290万バレル増だった。オクラホマ州クッシングの原油在庫は同14万5,000バレル減だった。製油所の原油処理量は日量33万5,000バレル減。ガソリン在庫は同480万バレル増、ディスティレート在庫は同200万バレル増だった。

ゴールドマン・サックスのアナリストは、米共和党が検討している国境調整税が導入されれば、WTI原油はブレント原油を上回る水準に上昇し、米国内の原油生産が大きく拡大するとの見方を示している。国境調整税は輸出を免税とする一方で、輸入への課税を強化するもので、米製造業を支援する措置とされている。

ゴールドマンは国境調整税が導入されれば、WTI原油はブレント原油に対して25%上昇すると予想。ただし、この国境調整税は世界貿易機関(WTO)のルール違反となる懸念などがあるため、実現するかはかなり不透明であるとし、現時点では9%程度しかその可能性を織り込んでいないとしている。

ゴールドマンの試算では、この税金が導入されれば、WTI原油はブレント原油を10ドル上回る水準に上昇するとしている。