金相場は上昇。トランプ米大統領の就任演説を背景にドルや米国債利回りが下落したことが材料視された模様。

トランプ氏の演説内容が大衆迎合的だったとの見方が多く、これが金相場の支援材料になっているとの指摘もある。米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、「労働市場が一段と改善し、インフレ率が目標の2%に向かえば、今年は3回の利上げが行われる」と予想したが、あまり材料視されていない模様。

金相場は買われすぎ感の中、1,200ドルの節目を依然として維持しており、潜在的な市場の不安感が感じられる。金融市場が不安定化すれば、金相場が思わぬ上昇を見せる可能性もあろう。

また、パラジウムがここにきて急伸している。この動きにも注目しておきたいところである。貴金属相場は今後数年間でもっとも注目すべき投資対象であるとの見方は変わらない。

非鉄相場はアルミが強い。一時1,858ドルまで上昇しており、強さは際立っている。その背景がわかりづらいが、マレーシアのボーキサイト絡みの材料だけでここまで下げるのかと感じる。

過去のパターンでは、1,800ドルを超えると生産者の売りヘッジが上値を抑えるのが通例だったが、もしかすると地合いが変わってしまった可能性もある。

一方、市場では米大統領に就任したトランプ氏が公言してきた経済政策の具体化に注目が集まるだろう。ラガルドIMF専務理事などが指摘するように、保護主義貿易による悪影響を懸念する声もある。

貿易自由化に逆行する政策が相次ぎ発表されれば、非鉄相場の圧迫要因になる可能性もある。中国が春節(旧正月)に伴い27日から休暇に入ることもあり、今週の非鉄相場は調整が進む可能性もあるだろう。

原油は続伸。主要産油国が今週末に開く監視会合で協調減産合意を順守する姿勢が示されるとの期待が支援材料となった模様。一方、米国内の石油掘削増加を示す統計が重石となったようである。

OPECのバルキンド事務局長は、OPEC加盟国とロシアなど非加盟産油国は今週末にウィーンで会合を開き、日量180万バレルの減産合意の順守状況を確認する仕組みを構築することを明らかにした。

サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、既に日量150万バレルの減産が実施されているとの認識を示した。21日に開催されたOPECと非OPECによる点検会合では、日量150万バレルの減産が実施されていることが確認された。これは、先の減産合意で示された減産幅の8割に相当する。減産は順調に進んでいることが示されたといえるだろう。

一方、米国内の石油掘削リグ稼働数が前週比29基増の551基となった。前年同週の510基を上回り、15年11月以来の高水準となった。稼働数は過去34週中の30週で増加しており、この間の増加数は235基に達した。米石油リグ稼働数は14年10月に過去最高の1,609基を記録したが、その後は原油安を背景に急激に減少し、16年5月には6年ぶりの低水準となる316基となった。

ダボス会議では、石油会社幹部や中東産油国当局者らは、「米国と中国の間の貿易摩擦が世界のエネルギー需要拡大見通しや原油相場の回復に影を落とす恐れがある」と懸念しているようである。またサウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、「米中の対立に一定レベルの不安を感じているのは、わが国に限ったことではない。

しかし、双方に分別は十分ある。こうした不安は根拠がないものだと分かるよう願う」としている。その上で、「国際社会の幸福のために、米中は相違を解消する必要がある」と強調した。

一方、リビア国営石油会社(NOC)は、同国の現在の産油量は日量72万2,000バレルと、前週の同65万5,000バレルから増加したとしている。2年間にわたった西部のパイプライン封鎖が昨年12月に解除され、シャララ油田からの生産が再開されてからは産油量が増加していた。

しかし、現在の産油量は11年の内戦前の水準である同160万バレルを大きく下回っている。リビアは減産合意から外れており、市場ではリビアの増産リスクが懸念されている。また米国のシェールオイルの増産も懸念される可能性がある。しかし、原油安を招く愚行を繰り返すとも思えず、この点は過度の懸念は避けるべきであろう。