金相場はほぼ横ばい。堅調な米経済指標やイエレンFRB議長の利上げ支持発言などを受けて、ドルや米国債利回りが上昇する中、一時下落する場面があったが、その後は値を戻している。

16年12月の米住宅着工件数や新規失業保険申請件数が予想を上回る内容だったことから、米国経済は利上げを行うのに十分好調との見方が強まっているようである。金利も上昇しており、普段であれば金はもっと売られてもよいのだが、堅調である。やはりトランプ大統領就任式を控え、金を売り込むことは避けたいと考えているのだろう。

ただし、基調は上値の重さが鮮明になっており、この水準を短期的に維持するのは難しいだろう。むしろ、1,175-1,180ドルまでいったん調整したほうがわかりやすい。いずれにしても、今日のトランプ次期米大統領の就任式後の市場の反応を待つのが賢明であろう。

非鉄相場は総じて軟調。アルミは高値圏を維持したが、それ以外はおおむね下げている。ニッケルは1万ドルの大台を割り込んだ。全般的にLME在庫が増加傾向にあり、これが上値を抑えている模様。また春節を控え、買いづらいこともあろう。

20日には中国の16年のGDPが発表される。6.7%が予想されているが、そうなればサプライズはない。一方、17年は6.5%への減速が想定されている。GDP伸び率が減速を続けているのは、新たな成長エンジンが乏しいことが背景にあろう。

中国経済は高度成長から安定成長への移行期に入っており、従来型の製造業の輸出主導からの脱却が不可欠な状況にある。しかし、内需の弱さから成長モデルを見いだせていないのが現状である。成長率は徐々に低下すると見られるが、一方で遅々として進まない鉄鋼や石炭の過剰生産能力の削減も大きな問題であろう。

サービス産業や消費型経済への移行が進まない中、対中強硬姿勢のトランプ次期米大統領の就任後は、米国との貿易摩擦の激化も懸念されている。中国にとって米国は最大の輸出先であり、製造業が痛手を受ける可能性も否定できない。

すでに貿易総額の落ち込みが見られているだけに、保護主義が行き過ぎることで中国経済が痛手を受ける可能性があることは、常に念頭に入れておく必要があるだろう。

原油は反発。国際エネルギー機関(IEA)が月報で、石油市場は需要の増加により、OPECなど主要産油国の減産合意が実施される前から引き締まりつつあるとの指摘が材料視された模様。IEAは、OPEC加盟国の減産合意の履行状況を判断するのは時期尚早としながらも、先進国の商業石油在庫は16年11月に4カ月連続で減少したと指摘。12月も減少も見込んでいる。

一方、米エネルギー情報局(EIA)が発表した原油在庫が、製油所の大幅な減産を背景に予想外の増加となったことを受けて、一時軟調に推移する場面もあった。またガソリン在庫も600万バレル増加した。ただし、米国内の原油生産量は日量2,000バレル減少しており、増加傾向は見られない。

IEAのビロル事務局長は、米国のシェールオイル生産は17年中に日量50万バレル増加するとの見通しを示している。一方、OPECのバルキンド事務局長は、「原油市場の均衡に向けて、在庫を5年平均の水準に戻すには、世界的に最低あと2億7,000万バレルの縮小が必要になる」との認識を示している。

原油相場は底値を探る動きにあると見られる。ここから下げてもその幅は大きくないだろう。50ドル以下は採算が合わないこと考えれば、おおむね底値圏にあると判断できよう。