金相場は上昇し、約8週間ぶり高値を付けた。トランプ次期米大統領がドル相場について「強過ぎる」と発言したほか、メイ英首相がEU離脱についてハードブレグジットを選択する一方、議会採決を約束したのを受けて、株安やドル安が進んだことが買い材料視された模様。

金相場は7日続伸し、1,200ドルを明確に超えてきた。買われすぎ感が強いが、金融市場の環境が変わらない限り、基調は続く可能性があろう。20日のトランプ氏の大統領就任を控え、株安・ドル安が一段と進むのかを見極めることになろう。

トランプ氏はウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、人民元に対するドル高は「米国を痛めつけている」との認識を示しており、これが市場で重要視されているようである。また今年は主要国で政治イベントが相次ぐこともあり、市場の不安心理が高まる可能性もある。

その場合、金は安全資産の一つになり、下値の高い展開が続くことも想定されよう。本日は米CPIの発表があるが、強い内容になることが想定される。その場合、FRBの今後の金融政策への影響も出ることが考えられ、金市場への影響にも注意が必要となろう。

非鉄相場はまちまち。英国のEU離脱懸念やトランプ次期米政権の保護主義的な通商政策への警戒感が上値を抑えている。また中国の春節(旧正月)休暇が近づいていることもあり、いまは上値が重くなりやすいと見られる。

これまでは、中国の一部富裕層が人民元安で海外に資金を流出させる際に、元をドルに転換できないことから、いったんビットコインに転換し、これをさらにドルに転換することをしていた模様。しかし、ここに当局の手が入ったため、これを止めてコモディティに資金を振り向けるようになったとみられている。

これが投資資金を非鉄に向かわせたため、最近の非鉄相場が急伸した可能性が指摘されている。いずれにしても、長期的には底値を確認しており、押し目は着実に拾われることになるだろう。

原油はほぼ変わらず。ドル安を背景に上昇する場面もあったが、株安などで続かなかった。サウジアラビアが減産合意を順守する方針を示したことは相場の下支えとなっているが、米国とロシアが増産するとの見通しが売りにつながったようである。

トランプ次期米大統領は、ドル高が米企業の競争を損なっていると表明しており、これがドル安を誘っている。ドル安はドル建てで取引される原油にはポジティブな要因となる。

市場の関心は、引き続きOPEC加盟国と非加盟国が協調減産を順守するかにある。イラク南部の輸出基地からの原油輸出は1月には減少しているもようであり、同国が減産合意に従っていることを示すものであれば、相場は下げづらいだろう。

しかし、米国政府の見通しでは、シェールオイル生産が2月に増加する見通しであり、これが実際に確認されれば、原油相場の重石になる可能性がある。原油相場が安定してきたため、エネルギー企業が掘削活動を活発化していることも、上値を抑えやすいだろう。

また減産合意が6月末に失効した後、ロシアなどで原油生産量が増加することも懸念され始めている。しかし、いずれにしても、まずは減産合意に参加した産油国の1月の産油量を確認することが先決であろう。そのうえで、需給バランスの改善が期待できれば、そこから原油相場は一段高になるものと考える。