金相場は上昇。一時5週ぶりの高値を付けた。トランプ氏の米大統領就任後の米国経済の見通しに関する不透明感を嫌気したことが金への資金流入を促した模様。ドルの下落と米国債利回りの低下が金相場を支えたといえよう。

これまでは、トランプ次期大統領の減税と財政支出に関する政策がドルと米国株を押し上げ、米利上げにつながるとの見方から金は売られてきたと見られる。16年第4四半期だけで12%超の下落となったが、先週は週間ベースで2カ月ぶりの大幅上昇を記録しており、目先の底値は脱したと考えられる。

また、金上場投資信託(ETF)からの大量の資金流出も減少し始めており、投資家の金売却の動きも一巡しつつあるといえよう。目先は短期的な買われすぎ感もあるが、押し目を形成しつつ、上値を目指す可能性は十分にあるだろう。

11日のトランプ氏の会見に注目が集まるが、ここで基調が変わる可能性も否定できない。注意は必要であろう。また季節要因による金買いの動きにも注目しておきたい。インドは婚礼シーズンであり、中国は旧正月の買いが入っているとの指摘がある。

これらも金の下値を支えるだろう。またプラチナやパラジウムも高値を維持している。これらの動きにも注目しておきたい。

非鉄相場は総じて堅調。アルミが上昇し、亜鉛も急伸しており、基調は再び上向きに転じている。鉛も強い。銅はやや上値が重く、5,600ドルを超えられない動きにあるようである。しかし、ドル高の一服や在庫減少を受けて下値は堅いと見られる。5,600ドルを明確に上抜けると、再び上値を試すだろう。

原油は下落しているが、非鉄には再び買いが戻っているようである。今週は中国で重要経済指標の発表が相次ぐが、これをこなして旧正月の休暇に入ることになろう。その前にいったんは手仕舞い売りが出る可能性はあるだろう。

原油は急落。4%安と久しぶりに大きく下げている。イラクの記録的な原油輸出や米国の増産懸念から売りが出たもようである。イラクの輸出増で世界的な供給過剰の抑制に向けたOPEC加盟・非加盟国による減産効果が損なわれるとの懸念が高まったようである。

イラク石油省によると、昨年12月の南部バスラ諸港からの原油輸出は日量351万バレルと、過去最高となった。イラク石油省は、「南部からの輸出は高水準となったが、OPECとの合意順守のための減産決定に影響はない」との見解を示しており、この日の市場の反応は過剰だったといえるだろう。

またロシアは、OPECとの協調減産を守る姿勢を示している。同国のエネルギー市場筋は「1月第1週の産油量は日量10万バレル減少した」としている。ロシアは30万バレルの減産で合意しており、今後徐々に減産を進める見通しと見られる。

一方、減産を監視するOPEC委員会が21~22日にウィーンで開催される。ここで最終的な監視メカニズムで合意する見通しである。市場関係者は、OPEC加盟・非加盟国の減産実施がいまだに困難とみているようである。しかし、このような見方は今回の減産合意の本質を見ていないといわざるを得ないだろう。