金相場は1カ月ぶりの高値に上昇。ドルが14週ぶりの高値を付けた後に反落しており、買いが入りやすくなっている模様。これまでの金相場の上値を抑えてきたドル高・金利上昇・株高の動きに変化がみられ始めており、金の買い戻しの動きがみられ始めているようである。

ドル相場の上昇はあまりに行き過ぎであり、さすがに調整が必要であろう。また、この日発表された米国経済指標がやや弱かったことも金相場にはポジティブに作用したといえるだろう。

16年12月の米ISM非製造業景況指数(NMI)は57.2となり、前月と同水準だった。市場予想の56.6は上回った。一方、米オートマィック・データ・プロセッシング(ADP)が発表した16年12月の全米雇用報告によると、非農業部門の民間就業者数は前月比15万3,000人増となり、市場予想の17万人を下回った。また11月分は21万6,000人増から21万5,000人増に下方修正された。雇用は堅調ではあるが、減速しつつあることが示されたといえるだろう。

また昨年12月31日までの週の新規失業保険申請は23万5,000件と、前週比2万8,000件減少した。4週平均は25万6,750件と、前週から5,750件減少した。本日発表の12月の米雇用統計次第では、ドルがさらに売られ、金が買われる可能性もあろう。

一方、金については、主要消費国である中国からの買いがみられ始めているもようである。中国の春節(旧正月)が近づいていることもあり、現物需要が回復しつつあるようである。価格水準が低いことも買いを誘いやすいといえるだろう。またプラチナも急伸しており、貴金属全般の基調は上向きである。

非鉄相場は総じて堅調。人民元高・ドル安の加速を受けて中国の非鉄需要が増えるとの思惑が広がったようである。また安値圏で推移していたこともあり、割安感から買いが入った可能性がある。

さらに、中国で計画されている鉄道網整備などの大型公共投資に対する期待感も相場を支えたとの指摘がある。目先の底値を確認した動きにあり、目先はドルの下落などを受けて上昇しやすい地合いにあるといえよう。

各銘柄とも高値から下げて引けていることから、昨日の高値をさらに更新できれば、地合いは大きく好転することになろう。

原油は続伸した。サウジアラビアが昨年のOPECの合意に基づき、減産に踏み切ったとの報道が材料視された。サウジの石油政策に詳しいペルシャ湾岸筋によると、サウジは1月の産油量を少なくとも日量48万6,000バレル削減し、同1,006万バレルとしている模様。

サウジが昨年のOPEC加盟・非加盟国による協調減産合意を順守していることになり、これが市場に心理的な好影響を与える可能性がある。ロイターによると、OPECの昨年12月の産油量は過去最高だった前月の日量3,438万バレルから同3,418万バレルに減少したもようである。減少は5月以降で初めてとなった。

武装勢力による石油施設への攻撃を背景にナイジェリアの生産量が減少し、サウジアラビアも輸出を減少させた。12月の産油量は減産目標の日量3,250万バレルの水準を日量168万バレル上回っている。これが1月以降に合意に基づいた水準にまで減少するかがポイントになる。

また、減産を免除されたリビアの産油量が増加傾向にあることから、減産の効果が低下するとの懸念も根強い。市場ではこれまでもOPECの減産を想定した買いが入っており、投機筋はロングポジションを増やすなど、強気な見方は維持されていると見られる。

投機筋のWTI原油先物での買い越し幅は14年半ば以降で最大となっている。これが逆に上値を抑えるとの見方もあるが、一方で売りが出ないようであれば、買戻しを強いられるショート筋の買いがさらに相場を押し上げる可能性もあろう。

一方、米エネルギー情報局(EIA)が発表した石油在庫統計によると、原油在庫は昨年12月30日までの週で前週比705万バレル減少した。ガソリンとディスティレート在庫はそれぞれ830万バレル、1,005万バレル急増した。原油と石油製品を合わせた在庫は608万バレルの増加となっており、在庫の増加傾向は解消されていない。一方、米国内の原油生産量は日量877万バレルと、前週比4,000バレル増にとどまっている。

在庫が解消されない中での相場上昇は見込みづらいが、OPECが減産を順守していることが確認できれば、市場の見方とは逆の結果になる。これが相場再浮上のきっかけになるかに注目することになろう。今回の減産合意は確実に履行されるとみており、これが上昇を促すとの見方は全く変わらない。