金相場は上昇し、約3週間ぶりの高値を付けた。16年12月のISM製造業景況指数は54.7と、前月から上昇しことや、11月の米建設支出も堅調だったことなどを受けて株価が上昇し、ドルも堅調だったが、金の底値は確認したような格好になりつつあるようである。

ドル円が高値から落ちたことや、株価も高値から下げたことなども下値を支えたといえよう。昨年11月の米大統領選で、共和党候補のドナルド・トランプ氏が勝利して以降、金相場は急落。昨年10~12月には12%以上下落となるなど、きわめて弱い動きだったが、さすがに底値を付けたのではないかと考えられる。

16年は年初の急伸を背景に通年では8.5%高と、12年以降で初めての上昇だったことを忘れてはいけない。今後も金利は上昇基調が続きそうだが、今年のテーマは「インフレ」と「実質金利」である。実質金利の低下が金相場に好影響を与えるとみており、金に対してそれほど悲観的になる必要はないと考えている。

また、米国の本音はドル安であると見られる。結果的に、通貨の裏返しである金が注目されることになろう。また今年はプラチナの金に対する出遅れ感が解消されるかにも注目している。

非鉄相場は全般的に軟調な展開。米国株が堅調に推移し、トランプ新政権への期待が高まっているが、上値の重い展開が続いている。これまでは、トランプ新政権が掲げるインフラ投資の恩恵を受ける銘柄として非鉄は買われてきたが、ここにきて上値が重くなっている。

中国の景気改善期待や米経済の先行きに対する期待感は強いとみられるが、現在の水準で底値を固められるかは、基調が維持されるかの点からきわめて重要なポイントになりそうである。

原油は急落した。早い段階では1年半ぶりの高値を付けていたが、ドルが一時02年以来の高値に急伸したことを受けて、急速に利益確定売りが出た。OPEC加盟・非加盟国が1日から発効した減産を履行し、世界的な供給過剰の解消につながるとの期待を背景に15年7月以来の高値を付けた。

ブレントは58.37ドル、WTIは55.24ドルまで上昇したが、その後は手仕舞い売りが入った。その背景にはドル高もあるのだろうが、一方で減産合意の履行への懸念も根強いといえよう。

減産期限の6月末までに減産が効果を上げて、原油価格は押し上げられるのか、この点に注目せざるを得ない。今回の減産では、OPECが日量120万バレル減産し、非加盟国のロシアやメキシコなど11カ国が合計約56万バレルの生産削減を行う。

国際エネルギー機関(IEA)は、減産が確実に実行されれば17年前半に供給過剰が解消される可能性があるとしている。一方で、原油相場が60ドルまで戻した場合には、採算割れに陥っていた米国のシェールオイル生産が息を吹き返すとの指摘もある。

石油掘削リグ稼働数は着実に増加しており、減産が進む中で原油相場が上昇すれば、米国の産油量が増加するとの懸念は根強い。また政情不安を理由にOPECの減産から除外されたナイジェリアやリビアで生産が回復した場合、需給が緩む可能性も否定できない。

サウジは必要な場合には割当量以上の減産に踏み込むとしているが、原油相場が軟調に推移すれば、収入減につながることからそれも困難になろう。また統計で生産量の減少が確認できなければ、再び原油相場は下落に転じるリスクも残る。

しかし、今回の減産は各国が原油価格の押し上げを最大の目的に合意している。抜け駆け増産はないとみているが、今後の統計には注意が必要であろう。