金相場は小幅上昇。ドルが14年ぶり高水準から軟化していることや、米長期金利の伸び悩み、米国株の頭打ちなど、金相場の重石になっていた材料に陰りが見え始めている模様。また約10カ月ぶり安値付近を推移したことで、一部の投資家が割安感から買いを入れていることも背景にあるようである。

金相場は11月8日の米大統領選でのトランプ氏の勝利を受けた高値から200ドル超も下落している。トランプ氏の勝利でドルや米国債利回りが急上昇したことで、金相場の下落に拍車がかかったが、さすがに下げすぎになってきているようである。

第4四半期の下落率は14%に達し、年央までの上昇分を相殺したが、年初来では6%以上の上昇率を維持している。今年第1四半期には四半期ベースでは過去30年で最大の上げ幅を記録しており、現時点でも金相場は今年に限って言えば強気相場だったことになる。

これまでのトランプラリーで金相場は底値を付けた可能性もあろう。市場では金相場には弱気な見方が多いが、やや偏り過ぎているきらいもある。

非鉄相場は上値の重い展開。クリスマス休暇を控える中、手仕舞い売りが優勢になっているようである。非鉄銘柄はトランプラリーに乗る形で上昇してきたが、上値の重さが鮮明になりつつある模様。株価の上値が重くなり、ドルや金利の上昇にも一服感が出ていると見られる。

同様の動きになるリスクが高まっている点には要注意であろう。一方、17年最初の週には、1日に中国製造業PMI、6日に米雇用統計の発表がそれぞれ予定されており、これらの結果次第では手仕舞い売りに拍車がかかる可能性もあろう。17年も米国景気やドル相場がポイントになるが、さらに中国の動向にも注意が必要となろう。

トランプ次期米政権が公約通りにインフラ投資の拡大などの景気浮揚策に取り組めば、非鉄需要の増加が期待できるが、ドル高が続くと非鉄の上値が重くなる可能性もあろう。また上昇には中国経済が急減速せずに底堅く推移することも不可欠であろう。

原油はクリスマス休暇を前に閑散商いだったが上昇した。ただし、市場ではリビアの増産への警戒が強まっている模様。OPEC加盟・非加盟国は1月1日から日量約180万バレルの協調減産を実施することで合意しているが、政情不安のナイジェリアとリビアは減産から除外されている。

リビアの国営石油会社(NOC)は主要2油田からのパイプラインによる供給再開を受けて、今後3カ月で日量27万バレルの増産の可能性を示唆しており、これが減産効果を相殺するのではないかと懸念されている模様。

一方、米国内の石油掘削リグ稼働数は前週比13基増の523基となり、15年12月以来の高水準となった。これで増加は8週連続となった。原油価格が高値圏を維持する中、増加傾向は7カ月続いている。

ただし、前年同期実績の538基は下回っている。リグ稼働数が2桁増だったのは3週連続であり、米国内の石油会社が増産体制を整えつつあるといえよう。しかし、増産すれば原油価格が下落することは経験済みであり、安易な増産は避けられると考えられる。実際、このところの米国の産油量は増えていない。

一方、WTI原油先物の投機筋のポジションは前週比1万3,894枚の増加で、過去最高水準にある。しかし、買い・売りポジションともに減少し、取組高も減少しているため、ポジション全体は縮小されている。

しかし、原油相場が本格的に上昇するのはこれからであると見ている。金融関係者は依然として原油が下落するとみているようだが、現物市場を見れば、市場が想定していないような動きになると考えるのが妥当であろう。今後もっとも楽しみな市場が原油市場であるとの考えは全く変わらない。