金相場は続伸。地政学的リスクの台頭が買いを誘っている模様。また最近の下落での下値を売る動きが止まりつつあると見られることも買戻しを誘っている可能性がある。米国株は上昇し、ドルも対ユーロで上昇しているが、金利の頭打ちが買戻しにつながっている面もあろう。

トルコの首都アンカラでロシアのアンドレイ・カルロフ駐トルコ大使が男に銃撃されて死亡し、この報道を受けて投資家のリスク警戒姿勢が一時的に強まっているようである。一方、ドイツのクリスマスマーケットを訪れていた買い物客にトラックが突っ込んだとの報道も、金にとっては買い材料になりやすいが、一方でこれがユーロ売りにつながっており、上値も抑えられているようである。

一方、イエレンFRB議長が講演で、「労働市場は過去約10年間で最も力強い」としたことからドルに買戻しも入っており、これが金相場には重石になる模様。また米追加利上げ見通しから、ドルの堅調さが続くと、金相場の上値は重くなりやすいだろう。

1,130.50ドル水準は長期的にはサポートになりやすい水準であると見られる。そろそろ下げ止まってもおかしくないだろう。ただし、インド・中国からの実需買いが入っていないもよう。これが入り始めると上昇に弾みがつくのだろうが、それが見られない中では戻りも限定的になりやすい。1,175ドルを超えることが上昇基調への回帰の最低条件であろう。

一方、これまで堅調に推移してきたパラジウムの下落が目立っている。11月末に775ドルを付けたが、680ドル割れ水準にまで下げている。640ドルで下げ止まるかがポイントになりそうである。

非鉄相場は全面安の展開だった。これまでの上昇に対する調整的な動きが続いている。トランプラリーを背景に米国株は上昇基調が続いているが、インフラ投資の拡大期待を背景に買われた非鉄への買いは止まりつつあるようである。

市場では、中国の規制当局が過度の投機を取り締まっていることや、中国株が下落していることなどを売り材料視しているもよう。また中国の不動産市場の冷え込みが示されたことも、売りにつながった可能性がある。

一方、銅はLME在庫が11月末の23万トンから直近では34万トンに急増。年末の在庫調整が行われている可能性がある。その場合、年明けには再度引き出しが行われることも想定される。そうなれば、現在の下落が一時的だったとの評価になる可能性もあろう。

原油はほぼ変わらず。クリスマス休暇を控える中、取引は閑散としている。市場では、米国のシェールオイル生産量がOPECやロシアなど非加盟諸国による来年の減産を相殺するかに注目している模様。

米国の産油量が増加するとの指摘は根強いが、増産して価格が上昇しなくなって困るのは、米国の石油業者も同じである。実際に増産して価格が下落したことを経験しているわけであり、同じような状況にあえてする必要はないだろう。

一方で、OPECの減産への懸念もあるが、これは確実に履行されるであろう。そうでなければ、OPECへの信頼性が大きく低下し、今後の産油政策に市場が反応しなくなる可能性が高まる。さすがにそのような愚行は避けるだろう。

米国では石油掘削リグ稼働数が7カ月にわたる回復基調にあり、いつでも産油量を増やすことができる体制にある。しかし、それも原油価格次第である。米エネルギー情報局(EIA)によると、米国の産油量は7月の日量約870万バレルから、12月には約880万バレルに若干増加しているもよう。

原油の長期上昇相場はまだ始まったばかりである。ユーロが対ドルでこれだけ下げていても、ドル建て原油価格は堅調である。ドル安に転じるようなことになれば、より明確な上昇基調に入ることにならざるを得ないだろう。