金相場は反発。ドルと米国株が下落する中、前日に付けた10カ月半ぶり安値から値を戻した。前日は2月2日以来の安値となる1,120ドル台に突っ込む場面があったが、ここからは戻している。ただし、週間ベースでは2%の下落となり、6週連続の下落だった。

一方、この日は中国が米海軍海洋調査船の無人潜水機を奪ったとの報道も上昇につながったとの指摘がある。ただし、これだけでトレンドが変わるわけではない。

FRBが利上げペース加速を示唆するなど、利上げに前向きなタカ派的と受け止められており、これを受けてドル指数が前日に14年ぶりの高値を付けるなど、金相場には上値を抑える材料が目白押しである。しかし、これらの動きが織り込まれてくれば、金相場の下落基調に歯止めが掛かるだろう。

最近の金相場の下落により、先物市場では新規のショートポジションの構築とロングポジションの手仕舞い売りが入っており、これが金相場の下落を誘っている模様。しかし、売り姿勢は継続しており、投資家の買い意欲は依然として乏しいと見られる。この傾向は金上場投資信託(ETF)にも表れており、世界最大の金ETFであるSPDRゴールド・トラストの保有高は11月9日以降で10%以上減少している。

これらの流れが変わるには、現在のドル高・株高・債券安(利回り上昇)のトレンドが変わる必要があろう。いまは押し目を拾うことに徹する時期であろう。一方、円建てでは円安の効果で下値は堅い点にも注目しておきたい。

非鉄相場は上値の重い展開。銅はLME在庫の増加や中国需要の先行き懸念が売り材料視されているもよう。アルミや亜鉛なども下げている。ここ最近の上昇は強い動きだったが、その後は上値が重くなっており、高値を更新できないでいる。

そのため、新たな材料探しの動きになっており、目先は上値の重い展開が続く可能性が高まっているようである。

原油は上昇。米ゴールドマン・サックスが17年第2四半期のWTI原油見通しを57.50ドルと、従来予想の55ドルから上方修正したことなどが材料視されたもよう。特に最近はブレント原油の上昇が顕著であり、過去5週のうち4週で上昇している。

さらに、この間の上昇率はブレント原油が23%、WTI原油が20%となっており、さらにブレントとWTIのスプレッドも2.26ドルと、8月末以来の高水準に拡大している。OPEC加盟・非加盟国の減産はブレント原油に大きく影響しているとみられる。

OPECは来年1月から日量120万バレルを減産することに合意している。OPECの減産は08年以来だが、これにロシアなどOPEC非加盟国もOPECの約半分の規模で減産することで合意している。これらの合意を受けて、原油の供給過剰は想定以上に早く解消する見通しである。

ロシアはロフネフチなどロシアの石油会社が全て減産に同意したとしており、市場が懸念する抜け駆け増産は起きないと考えている。またクウェートやサウジアラビアなども顧客に対して1月から供給量の削減を通知し始めていると報じられている。

一方、米国内の石油掘削リグ稼働数は前週比12基増の510基と、1月以来の高水準となった。増加は7週連続。これを受けて、市場では米国内の産油量が増えるとの思惑が強まりそうである。ただし、現在の価格水準で増産しても、収益をあげられるところは限られるだろう。

これまでのように、安易に増産すれば原油価格が上がらないことを理解しているはずであり、増産した場合でもその幅は限定的になり、原油相場への影響も限定的になると考えている。