金は4日ぶりに反発。米雇用統計は堅調な内容だったが、利上げが既に織り込まれていることから、特段材料視されなかった模様。11月の雇用統計によると、景気動向を反映する非農業部門の就業者数は前月比17万8,000人増で、前月の14万2,000人増から伸びが拡大した。

失業率は4.6%と0.3ポイント改善し、07年8月に並ぶ9年3カ月ぶりの低水準。平均時給は25.89ドルで前月比0.03ドル減少。前年同月比では2.5%増で前月から0.3ポイント低下した。

労働参加率は62.7%と前月から0.1ポイント低下した。トランプ次期政権への期待から米国株が上昇し、長期金利やドルも上昇したことで、金市場には重石になっている。しかし、これらの動きも短期的には織り込まれつつあると見られる。

長期金利は伸び悩み、ドル指数も週間ベースで4週ぶりに下落するなど、ドルの上昇に一服感が出ている模様。金相場はこれらの状況を織り込み、すでに十分に下げたと判断することも可能であろう。

テクニカル的にも節目の1,175ドル前後で下げ止まれば、反転につながる可能性が高まろう。その場合には、1,220~1,230ドルを目指すことになろう。

非鉄相場はおおむね小幅な下落。4日に実施されるイタリア国民投票では政府が提案する憲法改正案の否決への懸念や、オーストリア大統領選での極右候補当選のリスクに警戒感が広がった模様。米雇用統計はあまり材料視されていないと見られる。

徐々に上値が重くなっており、目先は調整リスクが懸念され始めている。長期的には上昇するものと思われるが、目先は短期的な上昇に対する調整が優先される可能性があろう。今週発表の中国の経済指標が弱い内容になれば、一段安につながる可能性があろう。

原油は上昇。OPECの減産合意を受けて供給過剰感が後退したことが材料視されている。ロシアの11月の産油量が旧ソ連崩壊後の最高に達したとの統計は上値を抑えたが、ロシアも今回の減産合意に参加するとの見方があり、これが下値を支えているようである。

米国を含めた原油在庫は2年にわたる供給過剰の後、徐々に解消に向かう可能性が高まっている。今回のOPECの減産合意の意味は非常に大きく、市場はまだこの点をほとんど織り込んでいないと見られる。来年には世界の原油在庫の減少は不可避であり、金融筋がこれに気付いたころにはすでに相場は大きく上昇していることだろう。

またOPECは今回の減産合意を受けて、世界的な減産合意を最終決定するため、非加盟産油国との会合を10日にウィーンで開催する予定である。同会合は当初、モスクワで開催される予定だったが、開催地が変更されたようである。

OPECは来年1月から日量約120万バレルを減産することで合意しているが、非OPEC諸国に対して、これ以外に60万バレルを削減するよう求める方針である。ロシアは30万バレルの減産を表明している。ロシアのモロゾフ・エネルギー副大臣は、同国の11月の産油量が約30年ぶりの高水準になったとした上で、これを基準に国際的な協調減産を行う方針を明らかにしている。

同国の11月の産油量は日量1,121万バレルと、旧ソ連崩壊後の最高を記録。12月は同1,130万バレルに達する可能性もあるとしている。いずれにしても、OPEC加盟・非加盟国が原油価格の下支えに本格的に取り組む方針を明確にしたことは、非常に大きな材料である。市場はまだこの点をほとんど織り込んでいないだろう。

50ドルはあくまで通過点であり、スタートラインでもある。ほとんどの産油国・石油会社はこの水準では長期的な石油生産ができない。いずれ70ドルを目指し、そこから10ドル刻みで上げていく相場展開が想定される。最終的には、世界経済の順調な拡大が続けば、100ドルを回復することになるだろう。