金相場は3日続落となり、5カ月半ぶり安値を付けた。トランプ次期米大統領が歳出拡大の方針を示していることで、ドル高が進む一方、米長期金利の上昇も重石となっている模様。

ただし、ドル、金利とも上昇がやや一服しており、下げ幅は縮小した。ドル指数が6日続伸し、11カ月ぶり高値まで上昇し、米国10年債の利回りは15年12月以来の高水準である2.3%をつけるなど、金にとっては逆風が吹いていると見られる。

一方で、トランプ氏の政策への不透明感や、オーストリア大統領選やイタリアの憲法改正国民投票などもあり、市場は不安定になりやすいだろう。そのため、現在の株高に変化が見られれば、金市場への関心が再び高まる可能性は十分にあろう。

すでに売られすぎになっていると見られることや、中国・インド勢の買いも期待できることから、現行水準を維持することも十分に想定されよう。

非鉄相場は亜鉛・鉛を除いて反落した。銅やニッケルの下げが目立った。前週末まではトランプ米次期大統領が唱えるインフラ投資拡大策への期待から活況が続いていたが、この日は一服感から調整売りが出たようだ。

中国の都市部固定資産投資の増加が相場を下支えしたが、相場を押し上げるほどの力はなかったようである。銅はさすがに買われすぎであり、いったんは調整が必要だろう。しかし、トランプバブルの象徴的な銘柄として位置づけられており、米国株高が続く限り、下げにくい地合いが続く可能性がある。

とはいえ、短期的には上げすぎであり、調整があってしかるべきであろう。

原油は軟調な展開。ただし、市場ではOPECが今月末の総会を控えて、減産合意に向けて加盟国間の意見の相違解消へ動いているとの報道で売り込む動きは見られなかったようである。

サウジアラビアやイラン、イラクは世界的な原油余剰を減らすための供給抑制策をめぐって対立しているが、これが解消されるかに注目が集まっている。カタール、アルジェリアとベネズエラは、有力産油国間の対立の解消を目指しているものの、上記の主要国の対立はそう簡単に解消されそうにない模様。

サウジのファリハ同国エネルギー産業鉱物資源相は「OPECが9月の減産合意を発効するのは義務」と発言したと伝わっており、イラクとイランの出方に注目せざるを得ないだろう。OPECの10月の原油生産量が前月比23万6,700バレル増の3,364万3,000バレルとなったが、これを減産するのはかなりの困難を伴うだろう。

OPEC加盟国は9月28日の非公式会合で、生産上限の「生産目標」を日量3,250万~3,300万バレルとすることで合意している。30日の総会では生産枠を決める見通しで、そこで各国の減産の割り当ても決まることになる。10月実績をベースにすると、64万~114万バレル相当の減産が必要となる。

10月の生産量を国別でみると、ナイジェリアは17万0,200バレル増の日量162万8,000バレル、リビアは16万7,500バレル増の52万8,000バレル、イラクも8万8,300バレル増の456万1,000バレルだった。イランは2万7,500バレル増の日量369万バレル。

同国は欧米による制裁解除を受けて、制裁前の水準である400万バレルの回復を目指しているが、ここ数カ月は360万バレル台で足踏みが続いている。サウジは5万1,700バレル減の日量1,053万2,000バレル、アンゴラは16万5,000バレル減の158万6,000バレル、ベネズエラは2万2,800バレル減の206万7,000バレルだった。

またOPECによると、17年の世界石油市場の供給過剰は、国際エネルギー機関(IEA)の見通しよりも大規模になるとの予想を示している。OPECが減産合意できない場合、米国の産油量が増加するとの指摘もあり、原油相場はさらに圧迫される可能性があろう。現段階では合意に向けた期待感がないことから、いったんは40ドルを試す動きになっても全く不思議ではないだろう。

一方、中国の10月の産油量は前年同月比11.3%減の1,605万トンだった。原油価格の低迷に伴い、産油業者が油井の新規掘削を控えたのに加え、老朽油田の産油量が減少したことが影響したもよう。ただし、前月の1,598万トンからは増加した。日量ベースでは09年5月以来の低水準となる378万バレルで、前月の389万バレルから減少している。