金相場は下落。ドルの上昇が効いている模様。ドル円が3カ月半ぶり高値に上昇したのを受けて売りが出やすい地合いにあると見られる。

米大統領選でのトランプ氏勝利や同氏の政策が経済成長に及ぼす影響について、市場ではさまざまな思惑が渦巻いているようである。トランプ氏はインフラ建設や大規模な減税を打ち出しているが、これが財政赤字の拡大を招く可能性があり、いずれはドル安に向かうだろう。

財政赤字とドル安のパッケージは過去の共和党政権でも見られた典型的なパターンであり、金相場には追い風となろう。目先は「トランプリスク」から「トランプバブル」に移行しているが、それも長続きしない可能性がある。

いまは期待感から米国を中心に株価が急伸しているが、実態をよく見る必要があろう。米国債利回りの上昇もドル高を誘発し、金市場にはネガティブだが、最終的な米国のゴールはドル安であると見られる。

長期機な視点を失わずに見ていくことが肝要であろう。金相場は短期的な下落基調にあるが、株価が下げるとすぐに戻す可能性が高いだろう。

非鉄相場は総じて堅調さを維持。米大統領選で勝利したトランプ氏が経済対策を行い、非鉄需要が高まるとの思惑から、銅相場はこの日も堅調となり、15年7月以来の高値を付けた。きわめて強い動きになっているが、さすがに行き過ぎであろう。

株価の反落があれば、手仕舞い売りが出る可能性が非常に高く、そろそろ注意が必要であろう。またニッケルは反落ややピーク感が出ている。亜鉛は上昇基調が続いているが2,485ドルを割り込めば売りが出てくるだろう。鉛も長い上ヒゲができている。2,120ドルを割り込むと下げが加速しそうである。

原油は反落。米大統領選でのトランプ氏勝利の衝撃はいったん織り込まれ、市場の目はOPECの減産決定に向かっていると見られる。大半の市場が米大統領選の結果を受けて上昇する中、原油相場の上値は重いようである。

ただし、原油市場は供給過剰感が解消されていないとの見方が重石になっている。OPECは30日に総会を開催し、減産について協議する方針。ロシアなどOPEC非加盟国にも協力を求めているが、実現性については疑問視する見方が根強い。

米国の原油在庫の増加が顕著な中、同国内の供給過剰感もあり、WTIの当限と2番限のスプレッドが約3カ月ぶりの大きさになっており、供給過剰感が反映される形になっている。

一方、国際エネルギー機関(IEA)は、OPECが30日の総会で減産合意しなければ、世界の原油市場は供給過剰状態を維持するとの見方を示している。IEAは最新の月報で、「来年も供給過剰状態を維持すれば、原油相場の下落リスクが高まる」としている。10月のOPEC生産量が過去最高となったほか、非加盟国のロシア、ブラジル、カナダ、カザフスタンなどの増産で日量80万バレル増加し、同9,780万バレルとなった。

また今年の需要の伸び見通しは日量120万バレルで据え置いた。来年も同様のペースで伸びるとの見通しを示している。昨年は同180万バレルで5年ぶり高水準だった。またOPEC非加盟国の産油量は来年には日量50万バレル増加するとしている。

今年は同90万バレル減のため、OPECが減産しなければ在庫が積み上がることになる。その上で、世界的な経済成長鈍化や消費の伸びが著しかった中国やインドなどからの需要が鈍ることを踏まえると、来年の石油総需要は上向かない可能性が高いとの見方を示している。

一方で、IEAは総会の結論にかかわらず、いずれ石油が不足する時代が訪れると警告している。油田の開発などの投資を着実に実行することが原油価格を安定させ、生産者と消費者双方の利益にかなうと指摘している。

年間の石油需要の伸びは概ね日量100万バレルであり、この量の産油量の伸びが必要であり、このままでいけば需給は逼迫するだろう。この点を忘れてはならない。