金相場は小幅上昇。株価にやや軟調な動きが見られることや、ドル高が一服したことが材料視されている模様。市場の関心は目先の11月1・2日のFOMCでの利上げ見送りではなく、声明文での12月利上げを織り込みの確認になるだろう。

現状まで織り込みが進めば、あとは「事実でドルを売る」という昨年12月の利上げ時と同じパターンになる可能性があろう。一方で欧州債の金利上昇もやや一服しているが、ドル高基調が一服すれば、目先の為替市場の方向性が再びドル安に向かうこともあり得るだろう。

この場合には、金相場にはポジティブな材料になろう。ただし、金利水準が現状からどんどん下げていく可能性は低下していると見られる。国債の利回りは上昇する方向になると見られ、これが金への投資の負担になるだろう。

短期的には今週以降の重要イベントに注目することになろう。FOMCや米雇用統計、大統領選などのイベントを控える中、金利がどのような動きになるか、さらに株価や為替がどのような動きになるかが、当面の金相場の動きを決めることになるだろう。

COMEX金先物市場の10月25日時点の投機筋のネット買いポジションは19万6,980枚で、前週から1万7,362枚増加。これは、下げ止まりから投機筋がさらに買いを膨らませたことを意味すると見られる。ポジションの変化の中身を見ても、売りポジションを縮小させているだけでなく、買いポジションも増えている。

買いポジションの調整が進むとみられていたが、この回復にはやや驚きである。それでも、直近のピークからは10万枚近くの買いポジションが解消されている。そのため、買いポジションの積み上げ余地はあると考えられ、上昇余地もあるとも言えよう。

非鉄相場は堅調に推移し、全面高となった。投機筋の資金が非鉄市場に戻りつつあるとの声も上がり始めている。しかし、非鉄需要の高まりは、バブルの様相を呈している中国の住宅市場が背景にあるとの指摘もあり、持続性に疑問の声もある。

ドル高基調が一服したことも押し上げにつながった可能性があるものの、今後の持続性に注目したい。

原油は反落。1ドルを超える下げとなり、目先の高値を確認した格好である。OPECの減産合意の実効性への不透明感が嫌気されている。こうなると、いったんは下値を試すことになる。50ドルを割り込み、さらに49ドルも割り込んだ。これまでのOPEC非公式会合での減産合意を背景にした買いは明らかに鎮静化し、今度はその合意の実効性に疑問を呈する向きの手仕舞い売りが出ていると見られる。

生産枠について合意できるのか、あるいは増産体制を維持したいイラクやその他の国のスタンスとの違いをどうするのかなど、課題が残っている。このように考えると、減産の実施がそう簡単ではないことがうかがえる。

ロシアも相変わらず、増産凍結までとのスタンスを変えていない。11月30日のOPEC総会で紛糾し、これが原油相場の調整を深押しとなる可能性もある。一方、米国の石油在庫の減少が顕著である。これが原油価格をサポートする可能性はある。これまで米国内の石油掘削リグ稼働数は徐々に回復しつつあったが、その一方で、産油量は抑制されており、これが生産減・在庫減少につながっている。

また、製品在庫の減少も顕著であり、需要の底堅さも確認できる。このような状況で、産油量の増加を検討する石油会社が少なければ、これが石油相場全体の底上げにつながる可能性もあろう。

しかし、NYMEX・WTI原油先物市場での投機筋のネットポジションは、40万3,586枚の買い越しで、前週から4,409枚減少したにすぎない。ポジション調整は進んでいないのが現状であり、これが近い将来の売り圧力になることが想定されよう。したがって、これから投機筋のポジション縮小の動きが強まることも想定される。その場合には、節目の48ドルを割り込み、46ドルまで下げる可能性があろう。

またこれまで原油相場をサポートしてきた製品相場も下落基調に入っており、これも良くない兆候である。石油相場全般が調整基調に入っており、この動きが反転するまでは、楽観せずに底値がどのあたりになるかを確認することに集中すべきであろう。

ちなみに、米国内の石油掘削リグ稼働数は前週比2基減の441基となり、6月以来18週ぶりの減少となった。前年同週は578基。前週までは2011年以来最長の17週連続で減少せず、同期間の増加数は113基だった。

目先的には46ドルがサポートになる。これを割り込めば、8月安値と9月安値をベースにしたアップトレンドラインを割り込むことになり、これまでと違う相場展開になる。その意味でも、一段安になった場合には、材料よりもまずは46ドルを維持できるかに注目しておきたい。